憲法記念日、水俣病、再審法改正、アイヌの遺骨返還、検事のセクハラ訴訟、羽咋のトキの放鳥、14歳のHIMARIさん、「希望の牧場」の吉沢正巳さん、穴水の旧家再生…あのこと、このこと、本のこと、もちろん夫のことも…気になること、書きたいことがたまる一方だけれど
だいじな車検証が見つかって
おまけにいつか読まねばと思っていた「ハガキ」も現れたので
まず、昨日のことから始めよう~~
***
当然、車のボックスにあるものと思い込んでいた車検証でした。
ところが、先日、突如「ムーヴ」が動かなくなる事態に陥って
JAFにきてもらって、バッテリー交換となって
その時はじめて車検証がないことがわかりました。
前回の点検のとき?リコール修理のとき?
ふたりでいくら考えても思い当たらず、連日もやもやしていたのですが
昨日、何気なしに気が向いて、別置きの郵便類を整理していると
その中に「車検証在中」と書かれた封筒があるではありませんか!
どんな事情でそうなったのか、記憶がおぼろげな私たちでしたが
とにかく面倒にならなくて何よりとひと安心しました。
・☆・☆・☆・
晴れやか気分全開で整理を続けていたら
特別によけておいた平成11年の年賀状が目にとまりました。
真ん中には黒いペンで描かれた一本の巨樹、
よく見なければ黒点にしか見えない1~2ミリほどの文字が
その周りをびっしり埋め尽くしています。
3000文字ほどの中に神秘的な巨樹が浮かびあがり
根元にはぽっちりと、小さな「小川」の朱印
「’99年卯のトシ.明けましておめでとうございます。〈平成11年元旦〉今年も何卒ヨロシクお願い致します。どうか.どうか総てに…」
小川祐吾(おがわ ゆうご)さんからの年賀状です。
ああ、ほんとにごめんなさい。
27年もたってようやく…拡大鏡片手に一行を読みました。
・☆・☆・☆・
小川さんに初めてお目にかかったのは
1998年6月28日に金沢で開催された
石川県巨樹の会の10周年記念大会でのことでした。
ネット検索した『巨樹いしかわ第十九号』によれば、
13:50からの大会には全国から240名の方が集まり
17:50からのパーティには80名が参加して
小川さんとはテーブル席でお隣になりました。
巨樹の会の会員でもない私がご縁をいただいたのは
図書館カウンターでたまたま手にした一冊との出会いから。
『かがのと巨樹名木探訪』(田中 敏之/北国出版社/1988)に
町の巨樹が紹介されていることに心動かされて
実際に訪ねてみたいと著者の田中さんに電話をしたこと、
巨樹の会の濱野一郎先生をご紹介いただいたこと
昨年の第一回「町の巨樹めぐり」は大好評で
この四月には第二回「樹齢千年の大椿に会いに」
優しそうな小川さんは
私の話をうんうん聴いてくださって
・・・・・・・・
○○○○様
先日御約束
の
詩画集お送
り致します。
平成十年七月十日。
小川祐
・・・・・・・・
みごとな筆致の半紙が挟まれて
詩画集が届きました。
『巨樹のささやき』(1994年)
(画・小川祐吾/詩・国谷幸生)
表紙の絵は和歌山県の万福寺のビャクシン
巨樹巡行の動機となったのだそうです。
著者紹介には「1945年小豆島生まれ。
一本の巨樹に感動し、87年頃から全国巨樹巡行の旅を
続けるかたわら巨樹をペンで正確に描く作品を残そうとしている。」
封筒にも本の中表紙にも
図書館の誕生日「平成十年七月十日」と私の名が
うねるような、繊細な、それでいて
どっしりした力強い線で流れるように描かれています。
《小川さんが訪ねた巨樹たち》
共和のカシの森(山口県・秋芳町)/青幡神社の大クス(佐賀県・伊万里市)/浄安スギ(岐阜県・白鳥町)/多賀神社の上飯盛木ケヤキ(滋賀県・多賀町)/太田の大トチ(石川県・白峰村)/岩屋の大スギ(福井県・勝山市)/岩倉の乳房スギ(島根県・布施村)/岡中鎮守社の大クス(大阪府・泉南市)/日影のトチの木(山梨県・須玉町)/志々島の大クス(香川県・詫間町)/将軍スギ(新潟県・三川村)/薦神社の大クス(大分県・中津市)/縄文スギ(鹿児島県・上屋久町)/椋本の大ムク(三重県・芸濃町)/玉若酢命神社の八百スギ(島根県・西郷町)/東根の大ケヤキ(山形県・東根市)/松崎八幡宮の大クス(熊本県・熊本市)/阿弥陀スギ(熊本県・小国町)/根岸の大イチョウ(青森県・百石町)/市野々の大クリ(岩手県・軽米町)
*白峰村の大トチは図書館の「巨樹めぐり」(H15)で出逢えました。
《本の巻頭の詩/国谷幸生さん》
「巨樹の根は
大地をしっかり抱き
はるかなる命をささえる
巨樹は動かない
ただ自然の声のまま
悠然とそこにいる
人は巨樹を仰ぎ
その大気に包まれる
やがて巨樹は
根をもたぬ人間に
やさしく囁きかける」
・☆・☆・☆・
今どうしていらっしゃるだろう?
お元気に巨樹巡行をされているだろうか。
ネット検索してみると…
あの年賀状から2年後に
亡くなられたと知りました。
年賀状を読まねばなりません。
「小川祐吾という友がいた。
2000年2月5日、54歳でこの世を去った。
彼は生前こよなく巨樹を愛し、その姿を描き続けた。
そして、幾多の巨樹の画を残し、私との共著、
詩画集「巨樹のささやき」も生まれた。
巨樹の画に込められた「小川祐吾のささやき」を
どうかお聞きいただきたい。
その囁きこそが、彼の永遠の生命なのだ。 国谷幸生」
*『巨樹のささやき』は、全国で宮城県村田町の図書室に一冊のみ