小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

C.W.ニコルさんのメッセージ

追悼の記事や番組で初めて出逢った人がたくさんいる。
そういう素敵な方だったのかと後になって知って、
自分のアンテナの感度を残念に思うことがある。
例えば、、、忌野清志郎さんもその一人。

しかし、よく知ってると思い込んでいた人、、、
作家であり、自然環境保護活動家!実際に講演まで聴いたのだけれど、
それ以上深く知ろうとはしなかった。

4月3日に亡くなられた「アファンの森」財団のC.W.ニコルさん。
夫がたまたまテレビをつけてくれたお陰で、
【アファンの森よ永遠に C.W.ニコルからのメッセージ】を観た。

「アファン」はウェールズ語で「風の通るところ」
森は大きなクーラー、森はだいじなダム、森は人を元気にさせる。
ニコルさんが放つ言葉に共感する。

1986年、原生林伐採に抗議して林野庁に質問状を出した。
「外国人だから、出すぎないようガマンをしてきた。しかし、
もう黙っているのは罪悪に近い。」
「豊かに流れる澄んだ河川は、この国の持つ最大の資産。
森林を破壊すれば、川は鉄砲水となり、大きな災害を起こす。」

1995年、黒姫を流れる鳥居川が氾濫して、
長野県は、コンクリートの護岸工事を進めようとしていた。
「その時赤鬼が暴れた。ものすごく暴れ反対した。」とニコルさん。
提案したのは、岩や石を使う自然に近い「近自然工法」。
その工事の後、イワナやカジカなどの川魚が増えていったという。

行政マンから赤鬼と恐れられたニコルさん、
本の森の再生のために生涯をかけた。日本国籍も取得した。

宮城県東松島市の「宮野森小学校」の再建事業を強く支援した。
「ノー!コンクリート。ホントにノー!」
「学校が種、種から大きなすばらしい木が生える。」
「私は約束を守る、僕の時間の半分は死ぬまであげる!」
「どうしても他のものを使うなら反対はしない。でも、参加はしない。」
「木造の理由は、アレルギーとか、子どものことを心配しているから。」
「子どもが一番だいじ。森が校舎。それが私の条件。」
2012年から話し合いを重ね、2017年に完成した小学校は復興の森に抱かれ、
天井、柱、床、全て木材、温もりのある木造となった。

~~ニコルさんの最後のメッセージ~~
《自然は私たち人間が地球を傷つけ、共に生きる他の生命を虐げていることに
多くの警告を発している。新型コロナウィルスは、今後、我々を襲うであろう災厄の先駆けに過ぎない。私たち人間は他の生物にもっと敬意を払い、自然界の調和を乱さぬよう力を尽くせないものか。》

そう、私たちも自然界の一部!!!
センス・オブ・ワンダーの図書館」として、発信し続けてきた言葉!

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。