小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

「夏の雲は忘れない」

スウさんのブログに紹介されていますが、読書会「詩をたのしむ」で読んだのは
きりりんさんが持ってきてくださった『夏の雲は忘れない ヒロシマナガサキ1945年』(大月書店/2020/7)

あれは、昨年の夏でした。NHKの「視点・論点」で女優の渡辺美佐子さんが、朗読劇「夏の雲は忘れない」という題名で、全国をまわっていること、子どもたちの声をたくさん台本に取り入れていろんな学校もまわっていること、ひとりの少年への思いが支えとなっていることなど語っていらっしゃいました。そして、なんと、昨日の北陸中日新聞終戦の日の特集は、1ページ丸ごと、渡辺美佐子さんのインタビュー記事。
あの時、最後の夏だと伝えてくださっていたのに、、、残念なことに、朗読劇『夏の雲は忘れない』を観る機会を逸してしまいました。

番組の中で朗読された5年生の男の子の詩が、今も胸にささっています。

いたといたの中に
はさまっている弟、
うなっている。
弟は、僕に
水、水といった。
僕は、
くずれている家の中に、
はいるのは、いやといった。
弟は、
だまって
そのまま死んでいった。
あの時
僕は
水をくんでやればよかった。  

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。