山崎久雄先生が送ってくださったDVDの一枚は、日本で一番大きいといわれている蝶「オオゴマダラ」の羽化、その不思議を見守る人たち。平成12年(2000年)8月21日(月)早朝の感動のビデオをDVDに編集してくださったのでした。
***
夏休みのある日、昆虫館で手に入れたというオオゴマダラのサナギを、利用者の方が持ってきてくださいました。
平成10年、皇太子ご夫妻が鶴来町の「県ふれあい昆虫館」に来館された折、雅子さまの髪にヒラリととまったほのぼのとした光景が全国ニュースとなったチョウ。
美しい黄金色のサナギをさっそく展示して、図鑑で調べたり、昆虫館に問い合わせたり…日を追うごとに少しずつ黒い色が透けて見えてくる様子を、みんなでワクワクしながらの10日間。毎日、図書館通いをした子もいました。
土曜日も、日曜日も、まだサナギのまま。どうも明日の月曜日らしい!という予想に、
その日は休館日でしたが、早朝6時前から特別に開館!
30人もの人たちが集まりました。ラジオ体操を休んできた子もいました。
6時10分!!あっ、殻を破る。。。少しずつ、くしゃくしゃの羽を伸ばしていくチョウを固唾をのんで見守りました。
しかも、昆虫館のスタッフの方がわざわざ予備のサナギと飼育箱を準備して駆けつけてくださったので、遅れてきた人たちも、7時55分からの2回目の神秘の変身を見ることができたのです。
二匹のチョウは、「ゴマ」ちゃん「ダラ」ちゃんと名づけて、飼育&展示。
昆虫館の方に教えていただいた通り、花の蜜のかわりに、ティッシュに甘いスポーツ飲料を浸して与えると、ストローをするする伸ばして吸うのです。
開館前の準備中には、運動不足にならないようにと飼育箱から出して、118.9㎡の開架室を自由に飛び回らせることも日課となりました。ある朝、行方知れずになった「ダラ」ちゃんが、お気に入り!?の本にとまっているのをわくワークの中学生が見つけて、すごい、すごい、よかったねぇとみんなで大喜び。
新聞でも「図書館で羽化 ”チョウ”人気」の大きな見出しで紹介され、大活躍してくれた二匹でしたが、9月に入り、生まれ故郷の昆虫館へ運びました。
飛び回る大勢の仲間たちと一緒に、元気よく、すぐに紛れて ………
小さな図書館ならではのスペシャルな懐かしい思い出です。