私は、「どうでもいいわい」の「いわい」です。
口癖のようにそうおっしゃって笑わせてくださった座主祝(ざす・いわい)さん。
ずいぶん歳が離れているのになんであんたと友だちになったんかね?とおっしゃる。
『公民館報つばた』の「まちかど」執筆担当だった座主さんは、自らを図書館の応援団長だとおっしゃってはばからない。毎日のように図書館に寄って、図書館情報を熟知されていたし、担当されていた『公民館報つばた』のコラム「まちかど」でも、図書館をたびたび話題にし、広報してくださった。
~羽化すすむオオゴマダラの蛹囲み瞳を凝らし静もる子供ら(平成12年10月号)~
去る8月21日、休館日だがオオゴマダラの羽化に合わせ特別に開館された早朝の図書館。午前6時を過ぎる頃、次々に集まって来る人々、子供たちは勿論のこと30余人が瞬きもせずに器の中の小さな蛹をみつめる。
昆虫館から来られた職員の方が上部が少し白く透き通るようになると「もうすぐですよ」などと羽化の進行につれて説明されると緊張した空気が流れ静かな室内が一層静もる。ビデオに収める人、その一瞬をカメラに据えようとする人々。それぞれの思いで見つめる中を薄皮を破って蝶が出て来た。初めて見た羽化の一瞬、そして何かにつかまろうとするのか、脚を懸命に動かし抜け殻を一回りして止まる。やがてぽとんと体液を落とした。徐々に延びる羽、少しずつ蝶の形になってゆく。大きく広がった羽の模様が他の蝶ではなく全くオオゴマダラの模様であることに感動を覚える。
少し遅れて木の枝で羽化したのも同じ模様を見せる。当たり前…かも知れないが計り知れぬ神秘さにうたれた。
図書館を出て帰宅の途に着く。見慣れた風景が何故か新鮮に見え心豊かな思いが満ちて、大きな感動を与えてくださった人々に感謝すると共に忘れ得ない一時となった。 (ざす)
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頼もしい団長さんは、当時76歳。
バイタリティーあふれ、好奇心もいっぱいでした。