小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

『誰も気づかなかった』

一昨日の「詩を楽しむ」読書会では、『光の海』のあとで、長田弘さんの
『誰も気づかなかった』(みすず書房 2020.5)に出逢いました。
    
    …
  
  微笑みがあった。
  それが微笑みだと、
  はじめ、誰も気づかなかった。
  微笑みは苦しんでいたからである。

  苦しみがあった。
  それが苦しみだと、
  周りの、誰も気づかなかった。
  苦しみは無言だったからである。

    …

詩人の没後5年を記念して出版された本、きりりんさんの紹介です。
ぜひ、地元の図書館にあってほしい一冊。(リクエストしよう!)
ふ~む、と考えさせらてしまうこんな詩もありました。


  ほんとうのことというのは
  ほんとうのことだろうか
  うそではないぜったいというのは
  それはほんとうのことだろうか
  
    …

  

    …  


「幸福」についての詩のなかでは、次の一文にぶつかって???

  サイハヒと、運命という漢字に
  ふりがなを振ったのは、言海である。


言海』は明治時代に大槻文彦博士が編纂した不朽の辞典、
ちくま学芸文庫シリーズに復刻され、読む辞典として人気があります。
図書館にあると思っていた『新編大言海』は、県内では8館のみで、
県、金沢市加賀市志賀町宝達志水町、県立大、金大、北陸先端大

なんとか確かめるすべはないものかと、ふとネット検索、、、
すると!!なんと、なんと、とりさんという方のブログに、知りたいと
思っていたそのページが、そのまま写真で紹介されているではありませんか。


 「かう⁻ふく 幸福」は「サイハヒ。運命(シアハセ)好キコト。」

       (「気になった言葉 on 国語辞典」2013.5.11)より

 

インターネットに感謝。【とりさん】に感謝。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。