小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

四つ葉のクローバーを見つけるコツ

ブログを始めたからでしょうか。
何でもない光景がふと心に留まり、かつてのことがつい思い出されるのです。
お正月明け、シグナスの図書館入り口に貼られた立派な「謹賀新年」の
賀正紙を目にした時もそうでした。

9年間、小さな図書館の新年のポスターは
「謹賀新年」の代わりに「A HAPPY NEW YEAR」。

原っぱで四つ葉のクローバーを見つけたかわいい女の子のイラスト、
明るい希望のキャッチフレーズは、小さな図書館にぴったりに思えました。
今から思えば、役場の上司もなかなか理解ある方でした。
私たちの「ステキでしょ!」の説明に、PRの仲間入りもしてくださいました。

あれは図書館がオープンして、初めてのお正月を迎える頃でした。
新刊書をチェックしている時、なんともロマンチックな本に出逢ったのです。
それは『遠回りの恋のかなえ方』(中谷彰宏著/かまたいくよ絵/PHP)。
恋の成就のおまじないの中に、私の心をぎゅっと掴んだ言葉がありました。
 
 「原っぱで、
  四つ葉のクローバーを見つけるコツ。
  そこに、
  きっとあると信じて探すこと。」

 

思い切って、著者の中谷さんに手紙を書きました。
 …まるで、四つ葉のクローバーのような中谷さんの本。
 小さな小さな図書館の新年のメッセージとして
 年賀状に使わせていただきたいのですが…と。

まもなくして、中谷さんから一枚の葉書が届いたのです!
ハガキいっぱいの大きな文字、【あきひろ】印も押されて。
 
 「一冊の本があって
  一人の読者がいれば
  もう立派な図書館です。
  ステキな夢をありがとう。  ′96.12.30  中谷彰宏拝」

 

その翌年の12月、近況報告の手紙を差し上げました。
 …はや一年。小さな図書館のこと覚えていらっしゃいますか。
 小さな図書館は、やっぱり小さいままですが、、、
 図書館に来たら何だかいいことありそうな、
 素敵な出会いが生まれそうな、そんな夢いっぱいの図書館を
 育てています…

年が明けて、なんと!その中谷さんご本人からのお電話に、
信じられなくて、びっくりして、、、大喜びした私たち。
そして届いたのは・・・サイン入りの著書21冊!!


 …図書館で、どうぞ「あなたの一冊」を見つけてください。 

 きっと、きっと、みつかるはず。
 そして、図書館が町の四つ葉のクローバーになりたい…

そんな想いをこめた《イメージキャラクター》は、
年賀状をはじめ、図書館だより、コーティングサービス券、FAX紙等々、
あらゆるところで大活躍しました。が…
そんな物語を知っている人はもう少ないでしょう。

中谷さんは変わらずにご活躍されていらっしゃるご様子。
中谷彰宏レター》の第2025号【2005.10.16】には、
小さな図書館との出会いが今も残されていました。 

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。