小さな図書館の時から細々と続いている『詩をたのしむ』のひとときは、
いつもささやかな人数だけれど、哀しみ、痛み、優しさ、温かさ、勇気、命、、、
詩を通して、さまざまな言葉に出逢い、ふと立ち止まる時間。
3月11日、昨日は3人。
階段状になっている広々した多目的ルームで、本を囲んで、車座になって。
2時46分、一分間、黙祷。
10年前のあの時、何をしていたんだろうね、、、わたしたち。
《宮尾節子》さんという詩人を初めて知った。
2007年に書かれた「明日戦争がはじまる」の詩は、
2014年1月22日ツイッターに投稿され、
インターネットで日本中を駆け巡ったというが、
ほんとに何をしていたんだろう、私。
今までなんにも知らなかった。
「戦争のことよりひとの『こころの怖さ』を言いたかった」と、
私的な利用において、著作者氏名を表示し改変を行わない限り
「どうぞご自由にお使いください。願わくば平和のために」と
著作権が放棄された詩。
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「明日戦争がはじまる」
まいにち
満員電車に乗って
人を人とも
思わなくなった
インターネットの
掲示板のカキコミで
心を心とも
思わなくなった
虐待死や
自殺のひんぱつに
命を命と
思わなくなった
じゅんび
は
ばっちりだ
戦争を戦争と
思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる
(集英社インターナショナル 2014年刊)
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読書会で出会った『女に聞け』(響文社)は、
それから5年後の2019年にクラウドファンディングにより出版された詩集。
「女に聞け」「願います」「あなたがここに」「誰が世界を語るのか」…
どの詩も心に響いてくる。
《誰かが声をあげることで、黙っている人が辛くならないように。
黙っている人がいることで、声をあげる人が辛くならないように。》
2019年9月14日、YouTube(宮尾節子+イーガル(p)東高円寺で朗読会)に、
長い髪をなびかせる、かっこいい!宮尾さんがいた。
「願います」を朗読している宮尾さんの声に出逢えた。