小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

『絵暦』~越前の行雲篇~

今日は弥生の十七日。昨日は満月。

玄関の棚に、経本仕立ての『絵暦』(発行/武生ルネサンス出版部)が飾ってあります。新暦と旧暦が対照でき、「新月」から「三日月」、「上弦」、「満月」、「下弦」、、、毎日の月の形の変化がわかる暦です。

木や虫、草花、山など、ふるさと越前の四季、自然をテーマにした写真が美しく、今年で28冊目。編集人の三木世嗣美さん(高校時代からの友人です)が練り上げる企画、解説文を、私は毎年楽しみにしているのですが、30年を一区切りにされるとのこと。

…今回は、変幻自在の雲を、「越前の行雲篇」として、編集いたしました。「行雲」は、鴨長明方丈記』の冒頭「ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず」に込められた「行雲流水」の思いにつながります。雲と言いますと…

と、山村暮鳥の「おおい雲よ~」の詩や小川未明の童話「山の上の木と雲の話」、上越市に建立された詩碑「雲の如く高く/くものごとくかがやき/雲のごとくとらわれず」を引用して、今年の暦の楽しみ方を紹介しています。

好評の前年に続き、写真は地元の林昌尚さん。
林さんは、「発刊に寄せて」で、空を見上げる楽しみについて書いています。
《~風に乗って刻一刻と変化しながら流れて行く雲、もくもくと天高く湧き上がる入道雲など、どの雲を見ていても飽きないばかりかその変化の面白さに時間を忘れて見入ってしまいました。そんな素晴らしい出来事が毎日私たちの頭上で展開されているのです。~もったいないと思いませんか?~》

『絵暦』を手にしたある友人は、この写真家の実力のすごさにはっとさせられると言います。師走、神無月、文月、そして長月のすじ雲はアングルも含めてすごいと驚いています。

正月(1月13日~2月11日)は高層雲「おぼろ雲」、睦月(2月12日~3月12日)は層積雲「うね雲」、如月(3月13日~4月11日)は高積雲「むれ雲」。
今月、弥生(4月12日~5月11日)の不思議な写真!は、巻層雲「うす雲」。

《日中、薄雲に覆われた空一面に神秘的な現象が現れました。太陽を中心にくっきりとした環「ハロ」、太陽を貫くもう一つの環「幻日環」、水平線近くに虹色の「環水平アーク」、これらが揃って見られることは滅多にありません。魚眼レンズでしか1枚の画像として収められないスケールの大きさでした。(撮影地/越前市:林昌尚)》

 実は、昨日、テニスをしていた時、その「ハロ」が出現。
頭の上にきたボールを打とうとして気づいて…一瞬見とれて…空振り。
今度はペアのMさんがサーブをしようとして…その環に気づいて…ダブルフォールト。
テニスの試合中なのについ見入ってしまった「ハロ」。

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☆出かけている間に、スウさんから、半年ぶりの『いのみら通信 NO.113』が届いていました。スウ文字でびっしり!B4の裏表二枚に、Peaceの願い。
5月2日福岡県大牟田、5月3日の憲法記念日には鹿児島に出前、のお知らせも。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。