もう何人かの人は回し読みしたらしい。
昨日、ママ(町のテニス仲間からは、昔からこう呼ばれている)なら、
一晩で読める!軽いよ!と、テニスコートで手にしたのは、
今年度の本屋大賞第一位に選ばれた一冊、
『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ/2020.4.25/中央公論新社)
52ヘルツのクジラって?
他の鯨が聞きとれない周波数で鳴く孤独なクジラ…
睡眠薬代わりに軽い気もちで読み始めたが、
親からの虐待、母子家庭、LGBT、、、愛を求める人たち、
今の社会が抱えるさまざまな問題に真正面から切り込んだ作品に、
ぐいぐい引き込まれ、一気読みした。
* * *
藤野高明さんのお母さんは、この小説に登場する母親とは程遠い。
藤野さんは、あるインタビューで「手記に書かなかったことは?」と問われ、
「人間には、思い出したくないことっていっぱいあるんですよ。」と
子どもの頃の忘れたい思い出を語る。
子ども同士、勉強を教えてくれたり、遊んだり、
でも、仲良しでもけんかもする、辛辣な言葉も飛び出す。
「グーしか出されへんやないか。
悔しかったらパーとかチョキとか出してみい」
悔しくて、つらくて、死のうとまで思い詰めた藤野さんを
思いとどまらせてくれたのはお母さん。
ポケットの小さな縄を見つけて、一緒に泣いて、
死んでも何にもならんと怒られた。。。
* * *
予想以上の本だった。
52ヘルツの声に、、私も、、、耳を澄まそう、、、、
いつしか深い眠りにおちいった。
☆『52ヘルツのクジラたち』、県の横断検索で調べてみると、
いずれの図書館も貸出し中、予約待ちの人気本。
Aさんから回ってこなかったら、出逢うのはまだまだ先のことでした。