9月9日の夕方だった。
ふとテレビ(HAB)のスイッチを入れたら、
地元のフォークグループ《でえげっさあ》の
メンバーの川崎正美さん(66歳)!
小学校の教師として教壇に立つ傍ら、コンサート活動を続けてこられた。
「でえげっさあ」とは白山麓の方言で、
「どういうことだそれは?」という意味があって、
「社会にもの申していこう」という意志が込められているそうな。
桑島なべぶた踊りの唄、内木源助大根の唄、みんなのバスだよ、
金沢ことば、君の学校、平和の子ら、君はランナー…
ユニークで、愉快で、元気がもらえる歌!
この地に根を張って生きよう!と呼びかける《でえげっさあ》。
平和のイベントにはきまって登場する。
私は《でえげっさあ》を愛するファンのひとりである。
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8年前の春、
「四季折々の会」(=「古典を読む」読書会)のみんなと
標高1204m、水芭蕉の群生、美しいブナ林で人気の、
大嵐山(白山市)へハイキングに出かけた時、
駐車場にあった一枚の看板に吸い寄せられた。
不揃いの横板5枚いっぱいに、縦書きの歌。
のびやかで、でっかくて、なんともあったかい。
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私のブナの木(うた:でえげっさあ)
海で働く漁師たちが
山に木を植え続ける
育った森から生まれる水が
いのちあふれる海を育てる
森は海の恋人なんだよと
海の男たちが教えてくれた
そんなロマンに魅せられて
私も山にブナを植えた
大地に深く根っこを張れ
空に向って大きく伸びろ
いつかは海の恋人
私のブナの木 一九九四・七
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気仙沼の漁師、畠山重篤さんの『森は海の恋人』に
魅せられた人々の想いが込められた「ブナ」の歌。
写真にして書棚に飾っている。