和代さんから渡された二枚のハトロン紙がある。
A5サイズの褐色の紙に、横書きで、
彼女らしい細かな文字が連なった読書感想文。
1999年の春に書かれた一枚と
おそらくその翌年頃の一枚。
20年、眠っていた彼女の想い…を
ブログを始めたおかげで、
こうして紹介できます。
~ ① ~
小説の中に知っている場所が描かれていると
映画のように. 心の中の視覚が広がり 楽しみがふえます。
ひそかな高樹のぶ子氏のファンでありつづけた 私。
待っていた新刊を読み驚きました。
ページが進むにつれ. 唖然とし. ドキドキとし.
どうして.. どうして. こんな本が あるの~ と。
私の生まれ. 育った場所. 地方のかたすみの町。
ひっそりとして. 静かで 古い小さな家が立ち並び
父と母が 二人で暮らしている街。
その路地に. 主人公の千桐が生きていて. 息づいていて.
悲しんでいて. それでも 歩いている. 迫ってきます.
「透光の樹」
六郷杉を舞台とし. その木の下に
一人でたたずんでいる千桐。
心と体がだんだんと病んでいきます。
人の短い一生. 幸せ. 寂しさ. 千桐のことを
「樹」だけが知っていて刻んでいます。
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おもしろかった.
ずーと一人じめして本をかりていました.
慎んでおかえしします.
ありがとうございました.(4/20)