小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

《みるくぺーぱ》~透光の樹~

和代さんから渡された二枚のハトロン紙がある。
A5サイズの褐色の紙に、横書きで、
彼女らしい細かな文字が連なった読書感想文。
1999年の春に書かれた一枚と
おそらくその翌年頃の一枚。

20年、眠っていた彼女の想い…を

ブログを始めたおかげで、
こうして紹介できます。

~ ① ~

小説の中に知っている場所が描かれていると
映画のように. 心の中の視覚が広がり 楽しみがふえます。

ひそかな高樹のぶ子氏のファンでありつづけた 私。
待っていた新刊を読み驚きました。
ページが進むにつれ. 唖然とし. ドキドキとし.
どうして.. どうして. こんな本が あるの~ と。

私の生まれ. 育った場所. 地方のかたすみの町。
ひっそりとして. 静かで 古い小さな家が立ち並び
父と母が 二人で暮らしている街。
その路地に. 主人公の千桐が生きていて. 息づいていて.
悲しんでいて. それでも 歩いている. 迫ってきます.

「透光の樹」

六郷杉を舞台とし. その木の下に
一人でたたずんでいる千桐。 
心と体がだんだんと病んでいきます。

人の短い一生. 幸せ. 寂しさ. 千桐のことを
「樹」だけが知っていて刻んでいます。

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おもしろかった.
ずーと一人じめして本をかりていました.
慎んでおかえしします.
ありがとうございました.(4/20)

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。