小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

小納弘(おのう ひろし)さんのまなざし

12月7日、中日新聞読者の《発言》ページ、
「恩師の思い出」の投稿文は村中重徳さん。

11月17日の「わがまちの偉人」、児童文学者の
小納弘(1928~2017年)さんの記事が
はっと目に留まったそうです。

村中さんが中学生二年生の時、学芸会で
狂言附子(ぶす)を演じることになり
熱心に狂言風のなまりを指導してくださったという
若き小納先生の思い出でした。

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「《愛込め、人間を書く》~九谷焼北前船など、
石川県加賀市の歴史や子どもの日常生活をテーマに
した児童文学作品を数多く発表した。人間が持つ
強さへの信頼、弱さも含めて受け入れる慈愛の
まなざしが作品に通底する。時を経てもなお、
色あせない輝きを放っている。」(小室亜希子記者)

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この紹介記事に刺激されて、図書館から借りてきた
『べったん横丁のおれ』(2003年8月15日発行)が
ちょうど私の手もとにありました。

当時、出版されたばかりの本。
ある小学生からのリクエストに応えて
購入したのです。

2003.9.22の日付で届いた先生のお手紙があります。

 「先日はご注文ありがとうございました。
 へたなサインを書いて恐縮いたしております。
 いっしょうけんめい考えて、
 書かせていただきました。…」

それで、二冊の本の見返しには
それぞれに、こんなステキな言葉が
書かれているのですよ。 

***

 津幡町のみなさんへ

  まちがあって
  子どもが いて
  おとなが いて
  やさしさが ある 

***

 津幡町の 
 子どものみなさんへ

  にんげんの
    やさしさが
  にんげんとにんげんを
    むすんでいく

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あれから18年… 村中さんの思い出は70年前…
つながるかな~
電話に出てくださるかな~
どきどきしながら、お電話したのです。
84歳の村中さんに。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。