今年も二人だけでしたが、
幸せにも、お正月らしくゆっくり過ごし、
元気にウォーキングをすることもできました。
* * *
元日の午後は、恒例の森林公園へ。
(新型コロナの前年までは、帰省した娘も一緒でした)
公園内の山道は積雪30㎝、持ってきた長靴に履き替えて出発です。
雪の中には、既に先客の三、四人の足跡がありました。
棒きれで書いたのでしょう。
雪の上には「あけましておめでとう」の大きな文字。
先へと進むと、それらの足跡も減ってきて、
「HAPPY NEW YEAR」の文字だけ残して、
最後の誰かも引き返したようでした。
時おり裸木の梢から小鳥が一羽つつっと飛び立って、
その拍子に枝の雪が微かに落ちる。
樹木の間からはイイギリの赤い実。
晴れ間から白山連峰が遠望できる。
新雪を踏みながら、
ふたりだけの雪道・・・
まさか冬眠し損ねたクマはいないよね、
小さな動物の足跡も全然ないね~
スノー・エンジェル、やろうかな~
と辺りを見回しながら、
傘を杖に、一時間ほどの初ウォーキング。
スマホで(私は未だガラケー)自撮りも初体験。
娘に電話して手ほどきを受けて、
きらきら光る樹氷と記念撮影したのです。
* * *
快晴の二日は、昼前に出発。
河北潟干拓地、メタセコイア道を歩きました。
近くの水路で群れていた鴨たちが、私たちの歩みに合わせ、
次々に一斉に飛び立っては移動を繰り返します。
レンコン畑のあぜ道や、農作業のハウス周辺には、
小動物らしい数種類の足跡が点々と続いていました。
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実は、出かける時のことでした。
夫が「あ…」と指さしました。
玄関先の雪の上に、小鳥が一羽、横たわっています。
黄緑色の羽、目の回りの白いリング、
手のひらにすっぽり入る小さな鳥、
ひと目で「メジロ」だとわかりました。
いったいなにが起きたのだろうか
まん丸い目を開いたままで、
息を吹きかければ動き出しそうな。
細い足指が凍っていました。
朝、お雑煮を食べている時、
チーという鳴き声に気づきました。
あの時見つけていれば、
なんとか助かったかもしれません。
歌えなくなった小鳥は眠っています。
雪の残る裏庭のツバキの根元深く、
赤い椿二輪に包まれて。
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「メジロ」のことがもっとよく知りたくて、
昨年は幾度、CD付きの『野鳥図鑑』を図書館から借りたことか。
チーという地鳴きは澄んだ高い声。
さえずりは「チーチュルチーチュルチチルチチルチィー」
メジロに夢中になったきっかけは
小川洋子さんの『ことり』(朝日新聞出版/2012)でした。
延長して借りて、また借りて、とうとう文庫本を購入したのです。
いつか書きたいと思っていた『ことり』との出会い、
そのことりが突如として目の前に現れたのでした。
新年のはじまりに…、雪の上に…。