今日の夕方、図書館へ行ったときのことです。
「ありがとう!」
聞き覚えのある元気な声!
カウンターへ新聞を返していたのはMさんでした。
昨年も、一度、彼の姿を見かけたことがありました。
今も、図書館通いをしているんやね~、よかった~、
声をかけようと探しましたが、見失ったのでした。
今日こそは、Mさんと話してみようと、
入り口近くで待っていると、
なかなか帰ろうとしないMさんに困り果て、
叱っているのはどうもお母さんのようです。
「Mさんのお母さんですか?」
お母さんには、一度、会ったことがありました。
あれから20年以上、忘れているのも当たり前です。
ところが、Mさんの記憶力は抜群です。
「私のこと、覚えてる?」
「はい、○○さん、覚えてますよ」
「あの新聞のこと、覚えてる?」
「はい、日本経済新聞です」
さすが!Mさん、スラスラと答えます。
答えるだけではありません。
「○○さん、いくつになりましたか?」
歳を聞くなんて失礼なとあやまるお母さんは、
聞けば私の一つ下でした。
今は訳あって、送り迎えが必要だそうです。
~ ~ ~
あの頃、Mさんは20代、
授産所からの帰り、小さな図書館に寄って、
大きな声で新聞を音読するのが日課でした。
ただ字面を追っているのではありません。
ちゃんと読んでいるのです。
それを証明するできごとがありました。
日本経済新聞の中に「ミス」を見つけて、
新聞社から感謝の品まで送られてきたのです。
~ ~ ~
そういえば、そんなことがあった…
そんなことを覚えていてもらって…と、
お母さんはほんとうに嬉しそうです。
Mさんは、くしゃくしゃの
とびっきりの笑顔になりました。
今日、図書館に来てよかった、
新聞社からの記念の手紙を探してみよう。