小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

セレンディピティから生まれるもの

先日の夫の話は楽しげで、面白くて・・・ふわふわ夢のような話!!実現したらいいな~と信じたいきもちでいっぱいだけれど、、、かつての割烹着姿の研究者の方の件がちらっとよぎって…。

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ふと「セレンディピティ」という言葉を思い出しました。
今は亡き酒井弥先生(理学博士/酒井理化学研究所)が書いてくださった小文です。

 

~~ セレンディピティのすすめ(2000年夏号)~~

 セレンディピティという言葉は普通には「掘り出し上手」とか、「あてにしなかった物を偶然に見出す才能」と訳されている。この言葉の出所は「セレンディプ(セイロン、現在のスリランカの呼称)の三人の王子」というおとぎ話があり、この三人の王子が絶えず巧みに行動して次から次へと珍しい宝物を発見するということに因んでつくられたものである。「思わぬものを偶然に発明する能力」「思わぬ発見をする能力」という意味にも使われる。つまり、このことは何か一つ新しいことを考えてやろうと思って見たり聞いたり話したりしているとき、パッとヒントを得て新しい発見や発明をすることをいうのである。
 身近なセレンディピティの例として瞬間接着剤の発見がある。イーストマン社の研究所で偶然にある物質の接着性能に気付き、そこで手当りしだいにいろいろな材料で試してその接着性を確認したのが瞬間接着剤誕生のきっかけであった。歴史上偉大な発見は多かれ少なかれ、こんなケースが多い。

 

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『図書館報』の《科学随想》コーナーで、1999年春号から23回にわたり連載しましたが、2004年11月6日、68歳で永眠され、その年の秋号が最終回となりました。 

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①あなた、寄り道してますか
②水の不思議
③オイシイご飯の炊き方
④オイシイ石焼きいも
⑤人間の寿命
セレンディピティのすすめ
⑦猫は電子レンジで乾かさないで
⑧走り出すときと止まるとき
⑨趣味はなんですか
⑩聞くと見るとは
エジソンに学ぶ
⑫コンピュータ無情
⑬光る泥ダンゴの秘密
⑭不老不死の薬は炭(スミ)だった
⑮科学の原点はセンスの良さにあり
⑯頭の柔軟性は連想から
⑰皆んながそれぞれ違って価値がある
⑱誰が言っても好きは好き
⑲クラーク博士の開拓精神
⑳落ち葉と天気予報
㉑三日、三年、三十年
骨粗鬆症の予防には数滴のにがりを
㉓松茸の香り

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現図書館のHPに『図書館報』№1~№27がUPされれば、一度に読んでいただけるのですが…残念至極!
機会を見つけては、先生の随想を紹介しようと思っています。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。