小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

《ひとりぼっちの映像詩》のお知らせ(今夜10:00)

今夜10時からEテレで《福島モノローグⅡ》が再放映があります。
心に留めたい番組、ぜひご覧いただきたくて、急ぎお知らせします。

東電福島第一原発から15キロ圏内にある富岡町にとどまり、電気も水も止まった故郷で、ひとり闘う松村直登さんのドキュメントです。(私のメモを紹介します)

*・*・*

生きてるんだもん、こいつら
途中でぶん投げるわけにはいかねぇべ

取り残された動物の面倒を見ている松村さんは、英雄でもなんでもない、日常が戻り、人々が戻るのを待ち続けているのだという。原発建設で働いた松村さんは、作った責任は俺にも少しあるわけだ、爆発させた責任は東電かもしれんが、と語る。

100年以上前に入植した先祖が開拓し、父の代まで作り続けてきた田んぼは、10年で無残な荒地となった。汚染で表土を取って、石混じりの土が入れられた。この土地で、自分の食べる米を作ってみよう。昨年春、新たな挑戦を思い立った。ゴロゴロ埋まっている大小の石をひとつひとつ取り除いて耕して、初めての米作り、素人の米作りだ。子どもの頃の微かに覚えている記憶を呼び起こして手探りの作業。

雨の中での田植えが終われば、次は雑草取り
草との闘いが始まる

俺は負けるわけにはいかねえべ
なんとしても草を制さないと

草消し(除草剤)も虫ぐすり(殺虫剤)も何も使ってないぞ
うまい米ができるようにこの辺の土地はなってるんだ
昔から水と土がいいから

*・*・*

生活費を得るために、2、3年前から養蜂も始めた。
ほら、卵を産むぞ
産んでる、産んでる、

はまるんだな~神秘に
生態の神秘にはまっちゃうんだ
もうわかんなくなることがいっぱいあるわけだ
そもそも生まれること自体が神秘なわけだ

*・*・*

生まれて初めて収穫したお米は400キロ
一等米だ

田んぼは生きていた!
春に向って松村さんはまた耕し始めた

☆~~~☆

春早くに水を張ると
カエルが騒ぐから ゲ、ゲ、、、
トンボからアメンボだってタニシだって
何でもいるぞ
どんどんどんどん
いきものが増えていくから
それが”自然”なんだ

”自然”は
人間がとてつもないいたずらをしない限り
ずっと延々と続く

☆~~~☆

松村さんのモノローグは
センス・オブ・ワンダー!!です

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。