小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

世界でたった一冊~手づくり図書館かるた

『広報つばた』5月号の表紙は、
元気な鯉のぼりたちが青空を背景に元気いっぱい泳いでいます。
表紙を開いたページのトップにあったのは「津幡かるた」完成のニュースでした。

監修/教育委員会生涯教育課、制作/町観光ボランティアガイド「津幡ふるさと探偵団」、絵/飯田恭彦(津幡町在住画家)、題字/矢田富郎(津幡町長)

〈史跡伝説、自然、伝統芸能、名所旧跡ゆかりの人、特産品〉…子どもたちに町の魅力を知ってもらい、ふるさとへの愛着を深めてもらおうと、「あっぱれ!川井姉妹五輪金メダル」から始まって、「加茂遺跡古代のお触れぼうじ札」など「あ」から「ん」まで45枚のセットを関連機関へ配布して、2月には「津幡かるた大会」も予定しているとか。

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「かるた」といえば、お正月遊びの定番ですが、
小さな図書館時代から始まって、今なお作られている「かるた」があります。
その名も『手づくり図書館かるた』、
1996年の夏、小さな図書館が開館して初めて迎えたお正月の企画です。

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かるた作ってみませんか/津幡町立図書館
利用増狙い、町民に募集/25日に大会、貸し出しも
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1997年1月5日の北國新聞朝刊には、
準備作業中の写真入りで、こんな見出しで紹介されました。

50音が書き込んである縦18㎝、横12.5㎝の絵札用の厚紙が
カウンター前に設置したテーブルから次々に消えて
代わりに「考え中」の札が並びます。

図書館や本に関することなら、なんでもOK、だれでもOK、
もちろん字数制限なし。
読み札と一緒にかるたが届くと、順次コーティングして、
かるた大会までテーブルに展示されます。

「白紙」~「考え中」~「絵札」

色とりどりの世界へと変化していく様に
わくわくしてしまいます。

みんなで作り上げた図書館かるたは
かるたの形をした
世界でたった一冊の絵本、
永久保存版のたからものです。

これまでに作製されたかるたは、一年ごとに
貸出し用バーコード付きの手作りの箱に収められています。
あいうえお順に製作された方の名簿も添えられていますが、
誰がどのかるたを作ったのかは、本人しかわかりません。
(ご本人も忘れてしまったかも?)

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第一回目の『’97 手づくりとしょかんかるた』は
嬉しいことに希望者が増え、清音だけでは足りません。
せっかく作りたいのにお断りするわけにはいかないと
濁音、半濁音の札を加えていきました。
(2002年には101枚!とうとう拗音まで加わりました)

「あ」から「ぽ」まで69枚。
色鉛筆、マジック、クレヨン、水彩絵の具…
画材もさまざまの楽しさ溢れるかるたです。
あれ?と思われる作品があるかもしれませんが、
図書館は私たちの暮らしの全てに関わっていますから、
どんなことでも図書館に繋がるので大丈夫!なのです。

あれから25年、
今やお子さんやお孫さんのいる方、お亡くなりになった方、
名簿には懐かしいお名前が並んでいます。
長くなりますが、この機会に初回の作品たちを紹介します。

・あつまれ図書館本読もう
・いつも にこにこ アンパンマン
えがおが だいすき くまのおやこ
・おかあさん おせちの本を見て作る
・かめさん がんばれ 一とうしょう
・きにのぼると おもしろかった さるくん
・くいずの こたえがむずかしい
・けーきは なぜ あまいのかな
・こまをまわして あそんだくまくん
・さむい日は こたつにはいって 本よもう
・しろいはなも あかいはなも とってもきれいだなあ
・すぐ返そう きげんまえまで かりた本
・せっせとはたらく こぶたちゃん
・そりすべりは たのしいな
・たのしいな がっこうのべんきょう
・ちりちりひめが おにとたのしく ボールけり
・つくろうよ ほんをみて ぬいぐるみ
・てづかさん あなたのまんがは おもしろい
・としょかんは 本がいっぱい たからばこ
・ならんでなかよく あかいはな
・にこにこ 楽しく読むのが一番さ!
・にゃにゃ なくよ ねごとかな
・ぬいぐるみ 作ってみよう 本かりよう
・ねこの本 マキシンさんは すきそうだ
・のんびりと こたつで本読み ねむくなる
・はつもうで はれぎすがたで かわいいね
・ひらめいた 本を読んだら 私も はかせ
・ふたりあわせて 百五十さいの名たんてい
・へいせい8年7月10日 町立図書館オープン
・ほしが おそらで うたってる
・マキシンさんの えがおがまってる すいようび
・みんながこわがる おばけの本
・むしくんたち 春になるまで 土の中
・めだまのおやじは きたろうのおとうさんだよ
・ももと くりを たべる
・やっぱり 本はおもしろい
・ゆだんたいてき
・よるにおさんぽ ハムスター
・らっこが ぷよぷよと うかんでいる本はないかな?
・りかちゃん人形の じてんがあった うれしいな
るんるん みんなで図書館へいこう
・れきしの本 わかりやすく楽しいよ
・ろうそくふきけし たんじょうび
・わかりやすくおもしろい本 いっぱいあるよ
・んんんんん んではじまる本がある
・がりがりの歯は ねずみくん
・ぎんがの本はないかしら こんぴゅーたーでさがそっと
ぐりとぐらは おりょうりだいすき
・げんかんのくつは ならべよう
・ごちゅうい 本をやぶらないでください
・ざっ しゅっぱつ!!たからの本のある図書館へ
・じどうしょや えほんもいっぱい みんなのとしょかん
・ずかんみて なまえがわかった みの虫だ!!
・ぜんざいを たらふくたべて ふとったぞ
・ぞろぞろと 人が列になり 図書館へむかう
・だちょうのあしは すごく はやい
・できたぞ 楽しい本作り
・どうぶつくん おなかがすいた はっぱをたべる コアラくん
・ばりばりの はは ねずみさん
・びっくりだ ほんがいっぱい としょかんだ
・ぶきみなやつが 本をかりる
・べんちにすわって 本をよむ
・ぼうえんきょうで 星を見るのが 大すきだ
・ぱぱはおさけののみすぎ よっぱらい
ぴよぴよぴよ ひよこさん、みんなみんな ほんをよみに としょかんにいく
・ぷーさん はちみつ だいすき
・ペンギンくん おつかいおつかい いそがしい
・ぽかぽか 冬には 読書だね

(*かるたに登場するマキシンさんは町で初めての国際交流員)

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。