小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

タンポポの綿毛

どんなに遅い時間になっても、休みの日にも、
《ひと言・人・こと》を書き続けた20年前、
図書館からの発信の原動力はなんだったろうと思う。
朝から晩まで自由な時間がたっぷりあるのにね、今は。

ひどい戦争。
温暖化に拍車をかけるどころか、ヒートアップ!
地球は人間の愚行で痛々しく傷つけられ、
容赦なく破壊されていく。

どうすることもできなくて
終りの見えない悲劇をただ見ているばかり、
それがつらくてたまらない。
きもちが沈んで、ぼんやりしてしまう。
体を動かそう、じっとしていないで、、、

あれもこれもと洗濯したり
片づけものをしたり
古い衣類を繕ったり
雑巾を縫ったり
図書館で借りてきた『図書館かるた』を
一枚一枚並べてみたり…

* * *

そんな中、夏野菜に水やりをしていて
ふと目に入ったタンポポ
畑の隅っこの誇らしげな一本を
気まぐれに細長いガラス瓶に挿してみた。

何時頃に閉じるのかな、
次の朝にはまた開くのかな、
何回ぐらいくり返す?

気まぐれに観察を開始すると、
翌日、開閉を繰り返しただけで
タンポポは蕾のように閉じてしまった

ある日、茶色の花びらがポトリと外れて、
白い綿毛が徐々に盛り上がって伸びていく。

途切れることのない神秘の営み…

直径4㎝ほど、まん丸の、真っ白い綿毛を
透明の丸いプラカップにそぉっと入れ
もう一つのプラカップでふたをして窓辺に置く。
100個以上のタンポポの命が眠る小宇宙は
センス・オブ・ワンダーの世界です。

 

* * *

タンポポ』といえば、まどさんの愉快な詩が浮かぶ。
 
 だれでも タンポポをすきです
 どうぶつたちも 大すきです
 でも どうぶつたちは
 タンポポの ことを
 タンポポとは いいません

・・・・・

イヌは、ワンフォフォ、、、、でしたねぇ

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。