小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

統一"協会”

 ~ 贈呈 ~

 自分の体験談が
 津幡町内の方々の
 お役にたちますように
 祈りをこめて

 1996年8月6日 さかいゆきこ

~ ・ ~ ・ ~

7月10日に小さな図書館が開館して
まもなくのことでした。

本を寄贈してもいいでしょうかと
やや遠慮がちにお申し出をいただいたのは

新教出版社刊、和賀真也編著
統一協会文鮮明 青年たちの心理を探る』
(1981年1月発行、1994年7月10日第7刷)

本の扉に一字一句、丁寧に書かれた楷書の文字から
彼女の想いのほどが伝わってきました。
真っすぐで、純粋で、勇気のある方、
どこまでも心優しいゆきこさん。

高校、大学進学の多感な時期に統一協会に入信した
ゆきこさんが、和賀牧師の尽力によって救われて
脱会に至るまでの、正直なきもち、ご家族の愛と苦悩が、
100頁(全341頁)にわたって包み隠さず書かれています。


その翌日にはまた、
新教出版社刊、和賀真也著
《今日のキリスト教双書26》『統一協会 その行動と論理』
(1978年4月30日発行 1992年9月10日第10刷)
を届けてくださいました。


26年前にいただいて、
図書館の書庫で静かに眠っていた二冊の本、
これまで幾人の方が手に取られたでしょうか。
想いのこもった、真実を語る本は、
いずれその時が来て蘇るのだと思います。

県内では津幡町、県立図書館、金沢市石川高専図書館に所蔵。
今も悩んでいるご家族がいるはず…
その方たちの力になりたいと、ゆきこさんはおっしゃいます。

(注:『原理運動』(統一協会側発行)に明記されている「世界基督教統一神霊協会(略称・統一協会)」に従って、略称を「統一協会」と統一したとあります。)

 

~ ・ ~ ・ ~

年月が経ってなお、
統一協会が名称を変え、新たな響きのよい名前で存在し、
しかも拡大しているとは全く知りませんでした。

7月28日付北陸中日新聞の《特報》ページは、
統一教会の名称変更の”謎”を追った記事でした。
1997年、当時、文化庁で宗務課長を務めていた前川喜平さん(元文科次官)が、
寸前で拒否した申請は、その後もたびたび打診があり、
それから18年経った2015年4月8日、
下村博文文科相時代に突如、変更が認められ
「世界平和統一家庭連合(略称:家庭連合)」の名称が実現したのだとか。


安倍元首相の銃撃事件は、はからずも、
統一教会と国会議員たちとの関係を露呈。
政治と宗教の闇があらためて、
クローズアップされることとなりました。

「正直僕自身が個人的に全く関係がないので、
なんでこんなに騒いでいるのか、
正直よくわからないというのはあります。」

”正直”なのか、”正直じゃない”のか不明だけれど、
いずれにしても自民党福田達夫総務会長の
報道抑制ともとれる発言には呆れます。

今日、あるテレビ局で、
安倍さんの国葬問題が、面白おかしく
取り上げられていましたが、

「平和を求める人々は自然と繋がっていくもののようです。
世代や地域、時には国境をも超えて。なにやら嬉しさを感じました。
裏腹に平和を求めない人々は利権で繋がっていくものです。」
山猫太郎さんからいただいたコメントに大きく頷いています。

3年前、アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲さんを想います。
平和を求め続けた哲さんのような方こそ、
国葬にふさわしいのだと思います。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。