小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

平和を続けるためにできることは

戦後77年の終戦の日、今日の中日新聞社説は、
「国民を死なせないよう」に、でした。

そして、4ページにわたる「戦争と平和」の特集号!

☆小原美由紀さんが手にしている絵本、
『戦争のつくりかた』の改訂版が緊急重版されたこと。

歌人・馬場あき子さんのインタビューと作品

☆読者から募集した「平和の俳句」の特集

”梅雨空に「九条守れ」の女性デモ” の俳句が、
さいたま市の公民館月報に掲載拒否された問題で、
金子兜太さんといとうせいこうさんの対談がきっかけで
2015年から始まった企画。(3年間は毎日一句ずつ掲載)

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そして
☆詩人・谷川俊太郎さんのインタビューです。

以前、私たちの読書会で話題になった
2019年出版の絵本『へいわとせんそう』
(文・谷川俊太郎/絵・Noritake )の解説も。

白黒のシンプルな絵で、
対比された平和と戦争の世界を
ストレートに表現している絵本です。


「へいわのボク、ワタシ、チチ、ハハ
せんそうのボク、ワタシ、チチ、ハハ…」

家族や道具、行列、木、海や町や夜、雲やら
戦時下の暮らしは一変する。

そして「みかたのかお/てきのかお
みかたのあさ/てきのあさ」

おしまいの見開きページ、、、
どちらが味方で、
どちらが敵の
「あかちゃん」でしょうか。
絵本だからこそ、奥深い。

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―平和を続けるため、どうしたらいいでしょうか―
の問いかけに、谷川さんは答えます。

「僕は国家というものをそんなに信用していない」
「国家単位で考えないで、自分単位で考えればいい」
「自分が何か芯を持っていれば判断ができる」
「一人一人が芯を持って判断することで、戦争を遠ざけることができる」
「本当に命を懸けて自分の生活を守る。それが反戦に結び付く」
「個人から始まって、家族とか身近な人、愛する人に広がっていく」

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先だって、ある若い父親から聞いた話を思い出しました。

「息子から電話。港にイージス艦が来たって。見に行きたいって。
イージス艦とは何なのか。有事のときとは何なのか。
僕の考える平和とは何なのか。

働く機械や船ならばいくらでも
これまでも見てきたように見に行こう。
けれど誰かを傷つける事を目的とした機械は
見に行きたくない事を話しました。

中学校の授業の中で社会の時間が一番好きだという息子。
判断は彼自身がするとして、見に行くという選択肢も
あったんだけどね。
とーさんの考えもわかったと言ってくれて、
日曜日は晴れれば平和な釣りにでもいこうかと約束しました」

事情があって、息子とはたまにしか会えないという父親の話です。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。