小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

『石川野性植物 私の出会った草木達』との出逢い

…《小さな図書館のものがたり》で紹介していた知里幸恵
僕がその存在を知ったのは、金沢にいる時だったと思います。
津幡町立図書館のブログを見たのがきっかけだったかもしれません…

 

そうでしたか、新しいブログも訪ねてくださっているんですね。
友人からの嬉しいメール!久しぶりです。

 

ブログを読んだ別の友人からは、
本田優子さんはお仕事が忙しくて副学長を辞められたそうですよ」
との情報です。お知らせほんとうにありがたいです。

 

***

ネットに本田優子さんのインタビュー記事(日本私立大学協会の特集)
アイヌ文化への理解訴える札幌大学教授~多文化共生のモデルを創造 ウレシパクラブ結成 奨学金交付や就職支援~」がありました。その中で、

「植物研究者になった兄と、小学校の頃、立山に登って植物採集などをしました。アイヌの植物に対する関心は高いものがあります。後年、アイヌ文化に深く関わっていく原点だったかもしれません」と語っていらっしゃいましたが、

実は昨年、優子さんのお兄さんとは知らず、本田雅人さんの書籍を新聞で知って購入したのです。

7月に自費出版された『石川野性植物 私の出会った草木達 第1巻(樹木)』です。
379ページ、表紙のみカラー写真。約20年かけて県内各地を歩き、390種類の樹木を目視で確認した結果が【確認分布図】として丹念に記されています。分布図を眺めていると、モノクロのマークが次第に野山の光景となって、生き生きと色づいて目に浮かびあがります。

本田さんは石川野性植物調査会の代表でいらっしゃいます。
「一介のアマチュアが自分の楽しみで調べた結果を、自分史の一環としてまとめたもの」で、学術誌ではないので学名はつけてないとのことですが、「県内の野生植物のありようがどうであるかを、後世の人達に少しでも伝えることができ、50年後、100年後の人達にとって何かの参考になれば」との想いがひたひたと伝わってきます。
その上、コメント欄のひと言感想が人間味あふれ、心惹かれます。


~~ コメントより引用 ~~

⁂ モミ(マツ科)…亡くなった家内の実家が志賀町にあり、秋になると義弟がよくキノコのアカモミタケを採ってきてくれた。おいしかった。本種は能登でよく見かける。本州から九州の屋久島まで分布する。常緑高木。高いものは25m近くになる。「樹に咲く花(山と渓谷社)」には「材は白色で腐りやすい。建築材や棺や卒塔婆に使われる」と書かれている。

⁂ アオモジ(クスノキ科)…ドキドキ、ドキドキ。ありえない物に出会ったらこんな気持ちになるのか。2019年3月、金沢の里山で本種と出会った。それも5本。本種の日本の北限が岡山だという。なぜここにと悩んでいた時…(略)

⁂ ジャケツイバラ(マメ科)…なんというあざやかな黄色。遠くからでも目立つ。ただその刺はとっても痛い。「きれいな花には…。」の典型。草を刈る人にとってはやっかいなじゃま者。金沢周辺には分布しない。このことを残念とするか、良しとするかは…。分布の偏りがはっきりしている。「牧野新日本植物図鑑」には「蛇結で、茎のつるが蛇がとぐろをまいているようだから」と書かれている。本州から沖縄まで分布する。


☆実は一昨日、1.5メートルほどのアオダイショウに遭遇して、この樹の名前が浮かびました。本物を見たことはありませんが。
☆今後全5巻を出版される予定で、第2巻からは草本植物たちだそうです。
☆県内では金沢市立図書館に3冊所蔵されています。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。