小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

石川県立図書館にて(その1)~ 体験すること、発見したこと

おぉ~県立図書館に畑があるとは!
ニュースを見るまで知りませんでした。

5月に自分たちで植えた苗から、大きなおイモがどっさり。
幼稚園児たち50人が大喜びでサツマイモ掘りです。
畑の隣では絵本のよみきかせもあったらしい。

広さ100㎡、サツマイモの次は、タマネギを植える予定で、
リンゴやナシの幼木もあって、4、5年後には収穫の見込みですって。

手元にある県図書館情報パンフ『マイキャレル』(開館記念号)をあらためてよく見ると、屋外の「おはなしの森」のことがちゃんと書かれていました。~石川の里山をイメージした屋外空間。そのまま本を持ち出して楽しめるし、サツマイモ収穫体験も~ですって。本を読むだけではわからない、貴重な体験ですねぇ。

~☆~☆~☆~

体験といえば、小さな図書館でのさまざまな【で・あ・い講座】が蘇ります。
閉館後の夜の講座もあれば、野外での講座、バスに乗ってお出かけもありました。

津幡町巨樹めぐりから始まって、手づくり絵本、折り紙入門、星空入門、紙しばい入門、ハーブ入門、菊づくり入門、ひょうたん入門、きのこ入門、泥だんご入門、謡曲入門、手芸入門、ハープ入門、絵画入門、科学工作入門、古典入門、マジック入門、、、(まだまだあります)。巨樹めぐりや蛍の夕べ、山の家資料館に行こう、大島町絵本館へ行こう、雪の科学館へ行こう、、、入門講座の指導は地域のその道に精通している方たち、元先生もいれば一般の方たち、ほとんどボランティアで関わってくださいました。

かつて、小さな図書館で実践していたこと…
本を通して暮らしを考え、その実体験がまた本につながり、更に豊かな生き方を探るという循環…

~☆~☆~☆~

さて、友人と出かけた二回目の県立図書館。
小さな図書館のおよそ60倍以上、迷うほどの大空間です。
嬉しい発見がありました。

 

⁂ 「県立図書館行き」のバスがあること。
しかも、図書館すぐ入り口まで乗り入れるなんて感激です。

⁂ いろんな椅子があちこちに500席!百種を超えるそうです。
お気に入りの椅子を探すのもなかなか愉しい。

⁂ 借りた本を最寄りの図書館で返却できるシステムは便利です。
「遠隔地サービス利用設定」をすませればOK。

⁂ 資料貸出は10冊まで3週間、延長も1回まで3週間も。

 

⁂そして、とっておきのコーナーのこと。

あの日、友人と”図書館ウオーキング”して歩き疲れてひと休みしたのは4Fのこじんまりした空間。。。そこには、どうぞと言わんばかりの椅子が二つ三つ。壁面の棚には、アイヌの文化、くらし、人物、ことば、物語、、、アイヌに関するさまざまな本が展示されていたのです。私たちは次々に本を選んでは、30分近くも過ごしました。

開放的なのに、なぜか落ち着く。
読書に没入できる、お喋りもできる。
まるでMy書斎、居心地のいいスペースでした。

この「もっと知ろう!アイヌ文化!」のミニ展示コーナーは、県立歴史博物館の〈令和4年度アイヌ工芸品展 秋季特別展「アトゥイー海と奏でるアイヌ文化」〉と連携しての好企画です。

(折も折、27日の北陸中日新聞【特報】に、アイヌへの差別や偏見、ヘイト攻撃のせいで「私はアイヌ民族です」とは名乗れないアイヌが増えていることが報じられていました。アイヌの人たちがたどらされた歴史事実が理解されていない、その根底には国の対応の希薄さがあるとも。また今日は、故郷を奪われた共通の歴史を持つ、ウクライナポーランド、そしてアイヌ民族の連帯についての記事でした。遡って7月には、差別、抑圧の歴史を知ってほしいと、沖縄のNPO法人「珊瑚舎スコーレ」の星野さんが北海道でアイヌ民族や歴史を学ぶ学校の設立に奔走する記事がありました)

この機会に心地よい椅子に身を委ね、どうぞアイヌを知るための本たちに出逢ってくださいますように。展示図書リストも用意されています。(~11月13日)

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。