小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

吉田春美さんの生きかた

JRひまわり号のこと、共同作業所どんぐりのこと、
ハートネット《我がままに生きて ある重度障害者 最後の日々》で初めて知りました。

「昨年9月、末期がんのため69歳で亡くなった吉田春美さん。脳性まひで車いす・呼吸器ユーザーの吉田さんは、地域の障害者の自立生活を切り拓(ひら)いた先駆者であり、駅の無人化に反対してJR九州を訴える裁判の原告でもあった。自分らしく生きるため時に“わがまま”と言われた吉田さん。でも、地域には彼に影響され生きる多くの人たちの姿が…。誰もが暮らしやすい社会の実現を目指して生きた吉田さん、最後の日々の記録」(番組紹介文より)

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僕に限らず、
誰もが自分から好んで障がい者になりたくない
また自分の意志で生まれたわけでもない

…偶然のいのち…

絶対と言えるのは死
それなら、偶然と絶対の通過点ぐらい
自分の意志でわがままに生きたい

電車に乗って優しく声かけをしてくれたり
以前の友だちに会える・・・
僕にとっては
各駅停車のひと駅が “旅”


吉田さんの一番のたのしみは
電車で自由気ままに出かけることでした。

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ところが2018年、駅の無人化が始まりました。
無人駅になれば、サービス低下の影響は必至です。
「安全面」に加え、「利便性」に大きな影響がありました。
乗降予定の面倒な連絡がいちいち必要になったのです。

僕が困ることは、他の人もきっと困ること、と
裁判を起こした吉田さん。

障がい者だからを盾にわがままだなど、
辛辣な意見も投げかけられたそうですが、
これは、配慮が必要な人たちに対して
どういうふうな社会であるべきなのかが
問われている裁判でした。

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“葬儀はシンプルに、偲ぶ会は盛大に、にぎやかに”
多くの仲間に愛された吉田さんの重ね重ねの願いでした。
やさしい笑顔の吉田さんです。

 

亡くなられた9月14日は、奇しくも
漆原宏さんが旅立たれる前日のことでした。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。