小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

今夜0:00~再々放送「アイヌ 家族100年の物語」②

ETV特集「二風谷に生まれて〜アイヌ 家族100年の物語」
嬉しいことに、今夜0:00~再々放送があります。


私は録画して、これまでに何度もみました。
貝澤太一さんの語りが胸に沁みます。
父、耕一さんの透徹した目にも惹きつけられます。

1992年、79歳で亡くなった祖父の正さんは
アイヌの権利回復に力を注いできた先駆者。
その後を受け継ぎ、更に「先住権」を求めて
今なお闘い続ける父親を
息子の太一さんは柔らかな眼差しで見つめます。

***

アイヌ語をも奪った同化政策
神聖な場所を破壊したダム建設

差別と貧しさの中でくぐりぬけてきた
苦難の歴史が淡々と語られます。
自分の世代には何ができるのだろうかと
問いかけます。

***

貝澤さん一家が住む二風谷は
アイヌ語で「二プタイ」、
「木の生い茂るところ」という意味だそうです。

祖父は、乱伐や開発で荒れた森を蘇らせようと
借金してまで森の再生に取り組みました。
父はその志を継ぎ、いまやその3倍、
90haの美しい森が広がっています。


正さんは亡くなる一ヵ月半前、
ベッドに横たわりながら私たちに呼びかけています。

「この地球には人間だけじゃない
キツネもすんでいる、カラスもすんでいる
木にも神様が宿ってるんだ

アイヌの精神文化を
日本人にもわかってもらって
いいところを取りあげて
お互いに助け合って
今みたいに金さえ残せばいいというのを
もうなくさなければだめ」

知里幸恵さんの『アイヌ神謡集』も好んで
引用したといいます。

***

その昔この広い北海道は
私たちの先祖の
自由の天地でありました。

冬の陸には林野をおおう
深雪を蹴って天地を凍らす
寒気をものともせず
山又山をふみ越えて熊を狩り、
夏の海には涼風泳ぐ緑の波、
白い鷗の歌を友に
木の葉の様な小舟を浮かべて
ひねもす魚を漁り、

紅葉の秋は野分に穂揃う
すすきをわけて、
宵まで鮭とる篝も消え、
谷間に友呼ぶ鹿の音を外に、
円かな月に夢を結ぶ。

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私も大好きな、珠玉の序文です。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。