小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

久々に、高校の同窓会に出席して

もう一ヵ月半も前になりますが、10月5日(土)
高校同窓会の第43回石川支部総会がありました。

なんとなく歳を感じ始めて出不精になって、
ここ数年というもの不参加が続いていましたが、
総会後の講演に惹かれ、即座に参加を申し込みました。

越前市「紫ゆかりの館」の館長、三田村悦子さんの講演です。
演題は『紫式部越前国府』、
式部の歌をひも解きながらの興味深いお話でした。

三田村さんと出逢ったのは、小さな図書館のころ。
当時は武生市図書館の司書さんで、
色々と相談に乗っていただいたことも懐かしい思い出です。
20年ぶりの再会でした。

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こうして出かけることになった同窓会でしたが、
予期せぬ新たな出会いが生まれました。
その後の懇親会でのことです。

右隣の席の横川さんが、津幡の図書館へでかけたとおっしゃいます。
朝日新聞の正月明けの「天声人語」で紹介された短歌の本が
津幡の図書館にあることをネットで知ったそうな。

書架でちゃんと見つかった!という「薄い本」

はて、いったいどんな本だろう?
プライバシーに触れると思いながらも
私の好奇心は一気に高まりました。

輪島の女性の歌…

伺っているうちに、それが
よりによって「山下すて短歌抄」だと判明して、
四学年後輩の横川さんとすてさん、
そして小さな図書館がつながった喜びで
お料理をいただくどころではありませんでした。

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その後、横川さんからお手紙が届きました。

…第二部「能登を想う」で山下すてさん他、能登にゆかりのある短歌・俳句などを吟じます。パワーポイントで映像や詩文も映します。どなたでも入場できます…

11月10日(日)、その日は他にもだいじなイベントがあったのですけれど
「第23回吟風まつり」を選択して、詩吟の世界を堪能しました。

第一部では、つぎつぎに各教場のみなさんが登場、尺八伴奏、詩舞もあり、
朗々とした声が会場の金沢市文化ホールに響きました

第二部は、短歌、漢詩、俳句による構成吟能登を想う》
(詩吟といえば、漢詩の朗詠とばかり思い込んでいました)

万葉集巻十七の家持の歌、「之乎路から」「珠洲の海に」

沢木欣一さんの句
「塩田に百日筋目つけ通し」
「大釜に煮詰まる塩と夜明け待つ」

横川瑶岳さん、庄中瑞岳さんによる、すてさんの短歌は
「蕗摘みも飽きて膝抱き沖を視る次の世もこの涯に生まれたし」
「雪深くなれば葱売る小母さんもいつもの場所にいない朝市」

能登への深い想いが胸に沁みるすばらしい構成でした。


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さて、もうひとつの出会いは、左隣の席のNさん。
私の二学年先輩になる方でした。
「大の里」「虎に翼」が話題となって、共通の知人がいることもわかって
早速、お手紙や資料等を送ってくださいました。
同窓会で不思議なご縁が生まれました。 

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。