小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

“人権派”の元裁判官 

夜遅くなってから、あるDVDを探していたとき、
「こころの時代」シリーズの中に気になるタイトルがあった。

『それでも、信じる~負け続ける元裁判官』(2021.9.12)

深夜だと言うのに、再生してみて、はっとした。
「木谷明~元東京高等裁判所判事・弁護士」
12月に読んだ袴田事件の二冊にたしかにそのお名前があった。


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①『袴田事件を裁いた男』(尾形誠規/朝日新聞出版/2023.8.23)
(無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元エリート裁判官・熊本典道の転落)

②『姉と弟 捏造の闇「袴田事件」の58年』(藤原聡/岩波書店/2024.11.6)


熊本さんは司法研修所時代のクラスメート。①には、浜松市で行われた木谷さんの講演
《優秀な裁判官がなぜ間違えるのか》が掲載されていた。

優秀で、しかも人権派の裁判官たちでさえ、なぜ捏造を見抜けなかったのか。
捜査機関に対するいわれなき信頼感、警察がそこまで大掛かりな証拠の捏造をするとは
到底考えられないという根拠なき思い込みが原因ではないかと木谷さんはいう。

そして「この事件は有罪ですよ。もし無罪だったら、私は首を差し出しますよ」
と断言した渡部保夫上席調査官の予断と偏見の事実を①②で明らかにしている。


渡部調査官が提出した報告書、判決文の草案が反映されてか、最高裁の「裁判官全員一致の意見」で袴田さんの訴えは退けられ、わずか数行の決まり文句で死刑判決が確定した。

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裁判官も人間、過ちもある。

十人の罪人を逃すとも
一人の無辜を罰するなかれ

法廷では、被告人の声を聴き
閉ざした心を開かせる

上から見おろすのではなく
人間と人間、対等な立場で


起訴された99%が有罪となる中で
証拠を厳しく吟味し
30件以上の無罪判決を下し確定させた「伝説の裁判官」


「木谷明さん」に再会したばかりなのに
昨年の11月21日、86歳で急逝されたと知った。

追悼のETV「こころの時代」が、もうすぐ5:00から始まります。
再放送は2月1日(土)13:00~

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。