小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

『少年口伝隊一九四五』/ 『ふかいことを おもしろく』

水道からは温水どころか、熱湯が!

連日35℃を超える猛暑日が続きますが
四方八方の窓を開け放てば、風が通り抜け
汗ばむもののそれほどの暑さを感じません。

年齢のせいかもしれません。

昨日はその自然の風を感じながら
たまってしまった新聞記事の切り抜きをしていたところ
すっかり忘れていたあることに気づきました。


原爆投下後の広島で
ニュースを口頭で伝える
少年たちの姿を描いた朗読劇

8月2日、3日
『少年口伝隊一九四五』公演!!

井上ひさしさんが
ヒロシマ被爆者の姿を描いた作品です。


《なくなった人たちは たくさんのことを 知っています》

先日の辰口図書館での朗読会でも
その公演ちらしをいただいたのに

なんということでしょう。
うっかりしていました。

似たようなことはこれまでにもあったとはいえ
我ながらがっかりしてしまいました。


***

☆先日のNHKおとなのEテレタイムマシンは
井上ひさし「原爆を語るということ①②」(2000年放映)


① なぜ私だけが生き残ったか~庶民の原爆手記を読む~

「心の被爆者」となって書き上げた『父と暮らせば』には
井上さんの心をうった手記の言葉の数々が織り込まれていて

『広島原爆の手記ー亡き妻への手紙-』(小倉豊文/八雲井書院)は
手元に置いて何度も読みなおしている一冊だそうです。

自分の前では黙ってしまって語ろうとしなかった人たちが、
なぜ文字として残そうとしたのか…

たくさんの手記を丹念に読み続け、何冊もの手帖に、

心にとまった印象的な言葉やエピソードを、

一つ一つ、写経するように書きうつしてありました。


② わしの分まで生きて下さい~生者と死者の対話~

(AO153さんが、ブログに詳しく書いてくださいました)
『父と暮らせば』はこれまでに500回以上上演されているそうですね。

 

☆7月23日の「視点・論点」は
「戦後80年 井上ひさしがのこした言葉」/井上麻矢(劇団こまつ座 代表)

「記憶を再現する装置である演劇の力をもって」
戦争責任について問いかけている井上ひさし

視点・論点」のテキストがありました。
https://www.nhk.jp/p/ts/Y5P47Z7YVW/episode/te/7R6666V9WM/

***

先ほど、図書館へ出かけてきました。

公演を見逃しましたけれど・・・

かわりに二冊の本をすぐさま手にしました。
図書館はまさに「市民の本棚」です。

 

『広島原爆の手記ー亡き妻への手紙-』(小倉豊文/八雲井書院)は早速リクエストしました。福井県富山県の図書館から相互貸借でお願いすることになります。

 

☆『少年口伝隊一九四五』(2013.6/講談社)は児童書棚にありました。

戦争はいかに残酷か、
いかに人間を狂わせ、
不幸に陥れるかを書き続け、

人間はもっと楽しく、もっとまっすぐに
他人を不幸にすることなく
生き続けられるはずだと言い続けた井上さん。


…正夫のしたかったことをやりんさい。
広島の子どものなりたかったものになりんさいや。
こいから先は、のうなった子どものかわりに生きるんじゃ…


…なくなった人たちは
たくさんのことを知っています。
でもそれを語る術もなく
ゆっくりと揺れています。

あ、無限の悲しみをたたえた空を
流れ星がひとつ、すっと割って
いま、比治山の向こうに消えました…


この作品は、2008年2月、「世界P・E・Nフォーラム/災害と文化」を東京で開催するにあたり、プロデューサーの吉岡忍さんが、日本ペンクラブ会長だった井上さんに依頼してできあがったもの。この新作のために、また広島へ行き、平和資料館や新聞社を訪ね、詳細なメモをつくり始め、事実と事実のあいだの人間の物語を書きたいと思うようになったと吉岡さんの解説にありました。

 

物語は、ギター演奏の序曲から始まります。

・・・・・

最後は(ギター奏者が、また長い間弾いていて)

三人の口伝隊少年たちの墓碑銘

 

☆「視点・論点」で紹介されたメッセージは

NHK100年インタビュー」(2007.9.20)をもとにした
『ふかいことを おもしろく-創作の原点-』(2011.4/PHP)の
最終ページに掲載されていました。


《100年後の皆さんへ、僕からのメッセージ》

100年後の、皆さん、お元気ですか?
この100年の間に、戦争はあったでしょうか?
それから、地球が駄目になるのではなく、
地球の上で暮らしている人間が、
駄目になってはいないでしょうか?

僕たちの世代は、それなりに
一所懸命に頑張ってきたつもりですし、
これからも頑張るつもりですが、
できたら100年後の皆さんに、
とてもいい地球がお渡しできるように、
100年前の我々も必死で頑張ります。
どうぞお幸せに。

      井上ひさし

 

“芝居、小説、エッセイ、これから書けるだけ書いていきたいと思いますが、常に「あの戦争って何だったのか?いったい誰が得したのだろう?」ということを書き続けるしかないと思っています。”

亡くなられて15年…

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。