『もしも君の町が ガザ だったら』の
「おわりに」に、
イスラエル軍の攻撃により殺害されたジャーナリスト、
ホッサム・シャバットさん(23歳)が自分が
殺されたときのために残したメッセージがあった。
“どうかガザについて語ることをやめないで…
世界に目をそらさせないで…
たたかいつづけ、私たちの物語を伝えつづけて…”
***
ホッサムさんが殺されたその同じ日、
もう一人、ジャーナリストが殺された。
3発のミサイルが自宅を直撃した。
NHK『ガザ あるジャーナリストの死』で詳細を知った。
17年間にわたって
桑山紀彦さん(地球のステージ代表/精神科医)が寄り添った
モハマッド・マンスールさん(28歳)
出会いは、2009年。
ガザを訪れた桑山さんは、大きな被害を受けた子を集め
「思い出の風景」をテーマに絵を描いてもらった。
その中でひときわ目をひく少年の絵があった。
黒の鉛筆だけで描いた絵。
生まれ育った町をイスラエル軍が攻撃している。
飛行機が…ヘリが…戦車が…
対するハマスも飛行機を攻撃。
〈なぜ、色を塗らないの?〉
・・・色は「自由」の象徴。僕たちの生きている世界には色はない。黒は暗闇を表わしているんだ。
そして、絵の左上には切実な思いが綴られていた。
“罪のない子どもたちをなぜ殺したのですか?
なぜ、誰も助けてくれないのですか?”
怒りに燃える少年は12歳。
… … … … …
しかし、桑山さんとのつながりを通して
彼の絵に変化が現れた。
テーマは「夢」
太陽が顔を出し、空には雲が浮かび、山や木も描かれている。
日本に行きたいので、船、飛行機を描いた。
赤、青、黄、緑のカラーの船体。
色はどこでも行ける「自由」を表わす。
彼にとっての「夢」だった。
〈なぜ、日本に行きたいの?〉
・・・(にっこり笑顔をみせて)あなたがいるから。
彼が大切だと思う五つの言葉は
【自由、愛、希望、平等、正義】
【愛】があれば、助け合う心があれば
戦争は起きないからと。
… … … … …
支援を受けて大学でジャーナリズムを学び
桑山さんから渡された一台のカメラを手に
ガザの惨状を世界にレポートした。
【PRESS】のベストを誇りに
ジャーナリストであり続けた。
ガザに生きる人たちの声なき声を
命をかけて伝えようとした。
… … … … …
2023年12月、イスラエルの攻撃は更に激しくなった。
12月31日のメールには
「世界が新年を祝っていることを
僕には想像できない。
僕たちはまた戦争の泥沼の中に…
しかし、世界は沈黙したまま。
世界はいつこの戦争をやめさせるための
声をあげてくれるのだろう。
ぼくたちが求めているのは
たった一晩でいいから
静かな夜。
戦闘機がとばない
晴れわたった空。
~ ~
新年を祝おうとする世界の人々が
たった一分でも
ガザのことを考えてくれればと願う。」
〈日本は自由で、何でもかんでも手に入って、シャワーも浴びられるし、本当に申し訳ない〉
「悲しまないで。
もし全ての人が不自由な生活だったら、
お互いを思いやることはできないでしょう。
でも、自由な生活をしている人は
相手を思いやることができる。
桑山先生の自由な生活が続くことを
願っています。」
胸がしめつけられ、涙が溢れてしようがなかった。
二人のジャーナリストが殺害されたその日
私の誕生日、だった。
… … … … …
*イスラエルによるガザ記者殺害に抗議する
日本ジャーナリスト会議(JCJ)
https://jcj.gr.jp/recentactivity/14344/
*写真展&モハマッドを偲ぶ会開催のご案内(もう終了しているけれど)
https://e-stageone.org/info/news/20250611.html