7か月経ってようやく
昨年の「北海道へ家族旅行」での
だいじな忘れ物の続き・・・です。
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2025/07/26/110215
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小樽の街を散策していたときのことでした。
じぃじの予定した「日本銀行旧小樽支店金融資料館」の向かい側に
娘たちが「市立小樽文学館/美術館」を見つけました。
昭和27年(1952)に小樽地方貯金局として建てられ
昭和53年(1978)に開館した
うっかり見過ごしてしまいそうな建物でした。
入り口にはミュージアムショップがあって
娘たちのお目当ては、
そこでワンランクアップのお土産を見つけること。
私も友人の誕生祝いにぴったりの花暦を見つけました。
二階にはセルフサービスカフェがあると
お店の方が教えてくれました。
明るく居心地よい空間で
きもちばかりのコインを寄付して
コーヒーもミルクも砂糖もおかわり自由です。
観光地でのびのび
ひとやすみできるのは幸せなこと
廊下をはさんで左手には
古本コーナー&ショップがありました。
ズラリ本が並んでいてまるで小さな図書室です。
なんと10冊までお持ち帰り自由!
女三人、思わず顔をみあわせました。
(じぃじは一階の美術展へ)
不要になった本を自由に気軽に持ち寄って
次の誰かの手に渡るしくみ(お代は無料、おきもちで)
カフェ(JJ’s Cafe)も
この古本のドネーションのしくみも
前の前の館長さんが考えられたと
受付の方がにこにこ話してくださいました。
図書館にもこんな持ち寄りコーナーがあるといいなと
感動しながら、5冊ずつ選びました。
なんでも、古書市に130万円台の値で売り出されていた
小林多喜二直筆の書簡を里帰りさせたいと
「小林多喜二の手紙を小樽に!」
の呼びかけに、全国から予算を上回る多額の寄付が
寄せられたというお話も伺いました。
そんな文学館の物語に心惹かれて
並んでいる図録やオリジナルグッズの中から選んだ
小冊子『小林多喜二の肖像』(¥500)は
「1998年4月20発行(小笠原克責任編集)ほかでは読めない青年小林多喜二の素顔。全国から驚くほどのご支援をいただいた「多喜二の手紙を小樽に!」寄金のお礼として編んだ一冊。(2017年復刻)」でした。
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ところが帰宅して荷物を整理すると
その「多喜二」さんが見当たりません。
ベッドで横になってざっと目を通したので
どこかに紛れてしまった。。。らしい。
その夜泊ったホテル、翌日のフェリーにも
問い合わせたけれど見つかりません。
ちょっとマニアックな本、誰かの手に渡って
その人が出逢う機会になればいいね~と娘。
私もその通りだと思うことにしました。
志賀直哉、伊藤整の文もあったな~
8月8日、やっぱりあきらめきれずに
文学館に電話でお願いしたところ
すぐに手配してくださって
4日後には手元に届きました。
私にとってはプロレタリアの文学、
文学史で暗記した『蟹工船』
小樽で暮したことさえ知りませんでした。
ふと立ち寄った文学館が
「小林多喜二」との出会いでした。
1933年2月20日正午過ぎに逮捕され、
築地署にて警視庁特高N、Y、Sの拷問により
7時45分、多喜二は息絶えた。(手塚英孝『小林多喜二』より)
今日が命日です。