小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

『思ひ出の記』…「ばけばけ」…山之口貘

昨年9月から始まった「ばけばけ」は
とうとう27日(金)が最終回ですね。

脚本も、俳優さんたちの演技もすばらしい上に
主題歌「笑ったり転んだり」は、赤ちゃんにも好まれて
イントロが流れるだけで赤ちゃんがピタリ泣き止むそうで
令和最強の「泣きやみソング」の異名までついたとか。


初めてその歌を聴いたとき、私たち夫婦は、
トキさんとヘブンさんがうたってると思い
「ハンバートハンバート」?誰って感じでした。


チーフ演出の村橋直樹さんの話では
ハンバートハンバートの「おなじ話」をかけながら
小泉セツさんの『思ひ出の記』を読んでいて
これはマッチすると音響スタッフと確信して
主題歌制作の依頼を決めたそうです。


ハンバートハンバートには具体的に特別の指示はなく
ただ『思ひ出の記』を読んで曲を作ってほしいとのみ。
本を読み、松江の地を訪ね、オファーから4ヵ月後の
2025年4月、すばらしいデモテープが届けられたのでした。


新刊コーナーで「思ひ出の記』に私が出逢ったのは
2024年12月27日。 …なぜ…今…八雲…?
その時不思議に思ったけれど
朝ドラ企画が進行中だったとはつゆ知らずでした。


***


これは誰にも言ってないのだけれど…と
村橋さんはもう一つのウラ話をされました。

台本をつくる前からも…
現場でドラマを撮っている最中も…
読み返したりして
ひとつの〈指針〉になっていたのは

山之口獏さんの詩
「賑やかな生活である」

“誰も居なかったので
ひもじいと一声出してみたのである
その時のリズムが
呼吸のようにひびいておもしろいので
私はねころんで
思い出し笑いをしたのである”

 

山之口貘…その名前に私はキュンとなりました。
なんと2025年4月30日(←図書館レシート)に
『貘さんがゆく』(茨木のり子/1999/童話屋)を
借りているという偶然!


貧しさに
ついに屈服することなく
〈精神の貴族〉を貫いた山之口貘。
小林多喜二と同じ1903年生まれです。

 

「自己紹介」の詩には


僕ですか?
これはまことに自惚れるようですが
びんぼうなのであります。


***

☆貘さんの詩は、青空文庫にもあります。

☆貘さんが自作の詩を朗読する肉声テープがあります。
(NEWS23の懐かしい筑紫哲也さんの姿も)

https://www.youtube.com/watch?v=xMq3CGhaJM8
詩人 山之口貘/高田渡LIVE 山之口貘をうたう(渕上純子さんと)

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。