爆撃でことごとく破壊される街
ロシア軍の戦闘機の爆音
自由を求め、抵抗する人たち
血まみれの負傷者、死者が
次々に病院に運び込まれる
その病院までもが、標的にされていく。
これは
2012年4月~2016年12月の
シリアの都市アレッポの映像。
NHK「ドキュランドにようこそ」で放映された
ワァド・アルカティーブさん撮影・編集の
『 For Sama ~娘は戦場で生まれた~ 』
2019年カンヌ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞作品。
「こんな事態を世界が黙って見ているなんて
私たちは思ってもみなかった」
ワァドさんの言葉が、今のいま、深く胸をえぐる。
アレッポは、、、今のウクライナ
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ワァドさんはジャーナリスト、
夫のハムザさんは医療現場で奮闘する医師。
2016年2月7日
戦火のもとで授かった娘は「サマ」
アラビア語で「空」を意味するという。
わたしたちが愛し求める空は
戦闘機も爆弾もない空
そこに見えるのは太陽と雲
そして鳥たちだけ…
~かわいいヒヨコたち
母さんのまわりを楽しくさんぽ
水をのみ「おいしい」とないた
うれしくなって神さまにおれいする~
歌をうたっておチビちゃんをあやす。
* * *
… 愛する娘
私たちのたからもの
でも、
こんな世界に生まれてしまった
あなたを生まなければよかった
彼と出会わなければよかった
実家を離れなければよかった …
あなたの両親がなんのために戦ったのか
わかってほしいと、戦場で必死に撮り続けた
『For Sama』
天使のようなサマ
* * *
慎ましやかな日常の暮らし
ささやかな家族の幸せを
戦争は
いともやすやすと壊してしまうのだ。