最近まで元気そう、だったテニス仲間のMさんが
59歳という若さで旅立ちました。
大好きなテニスを楽しみながらの四年間の闘病でした。
テニスの練習の合間に、ふっとコートから姿を消して
タケノコやら、ワラビやら、タラの芽やら、
一抱えして戻ってきて、私たちに分配…
山菜採りの名人でした。
愛称は「シェフ」
地中海風のモダンな料理もなかなかの腕前です。
安納芋の焼き芋の格別の美味しさも、
Mさんから教わりました。
25年前のひとこまも思い出されます。
― その本は?
テニスコートのベンチで
Mさんが読んでいたのは新刊の『神童』(山本茂/文藝春秋社)
そして、イチオシで薦めてくれた
『神童(幻のヴァイオリニスト)渡辺茂夫』
すばらしいCDを、Mさんを偲びながら
久しぶりに聴きました。
***
涙がでるほどの美しく哀しい響きに、ウクライナを思います。
子どもの犠牲者は103人に達したそうな。(16日発表)
ロシア軍の無差別攻撃は日に日に激しさを増すばかり、
かけがえのないはずの命が
いともたやすく数字に置き換えられていく
不条理…
* * *
こんな、ウクライナ語のことわざがあります。
《私の別荘は、ずっと外れにある》
―…「今、会話の話題になっていることを自分はよく知らないし、自分には関係もない」ということを表わしています。… ほとんどのウクライナ人にとっては、(外国人がそこにいない限り)根ほり葉ほりきくことはあまりよしとはされていません。そして、必要のないところに首をつっこまないよう、お互いのプライバシーを尊重する傾向があります。― 『誰も知らない世界のことわざ』(エラ・フランシス・サンダース/創元社/2016)より
今、そのプライバシーは完全に破壊されています。