小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

この三日間のこと~桜とテニスと北極星~

二週間ぶりのブログです。(改訂作業は2003年11月11日まで進行) https://hitokoto2020.hatenablog.com/archive/2003 今日は朝から雨。そろそろ見頃だったあの桜たちは?と気がかりです。 先週から始まった朝ドラ「虎に翼」、主人公のモデルは三淵嘉子さん。…

舟を編むひとたち

“みてる。ってのは、亡くなるってこと。満てるだった。なんて美しい。あー。びっくりでした。” 先日届いた息子からのラインです。添付されていた新聞の投書は 「伯母が満てた。98歳の天寿を全うした。かわいがってもらった。大好きだった。…」 高知の方言の“…

『てのひらごよみ』~あしたがあって夢がある 

図書館での読書会「詩をたのしむ」でひろこさんが紹介してくださったのは『詩の玉手箱』(いそっぷ社/2008.4) 中原中也、萩原朔太郎…著名な詩人たちのあまり知られていない詩が51篇。鮮やかな挿し絵は柚木沙弥郎さん。 三木卓さんの解説文と合わせ読みしな…

『能登が好き』は宝ものです

一ヵ月前でした。自信たっぷりに、それも即座に、「さしあげますよ~」と友人に快諾したその雑誌が消え失せてしまった。家の中にあるのは確かです。特別扱いしてだいじにしまいすぎたのか、地震で散乱した中に混じってしまったのか…なかなか見つけられません…

復興を願って復刊~『あさいち』(福音館書店)

3月6日のほっとニュースは福音館の絵本『あさいち』復刊! 最盛期の輪島の朝市が描かれた絵本です。 金沢生まれの福音館書店さんが被災地の支援を摸索されている中「復興を願って復刊してほしい!」との声が多数寄せられたこともあいまって44年ぶりの復…

『能登 2015年冬号』特集Ⅱ ~「山下すて短歌抄」

『能登 2015年冬号』の二つ目の特集は《能登永遠(とわ)の歌びと「山下すて短歌抄」》 藤平朝雄さんの詳細な解説があります。抜粋して紹介します。 ……・……・……・…… 昭和61年(1986年)朝日歌壇に初登場したすてさんの歌は、その年だけで入選歌が40首を超え…

『能登』へのエール~~輪島塗の職人さんたち

今日の中日新聞によれば、いまだに断水は約22880戸、停電は約1100戸も。 それでも紙面には、復興、復旧にむけて笑顔の写真が少しずつ増えてきています。 *** エールを送りたい記事がありました。 “2010年創刊の季刊誌『能登』復刊への始動”です。 地震で…

読書会メモ②〈詩をたのしむ〉

*読書会メモ②* 〈詩をたのしむ〉2月8日 きもちが少しでも明るくなれるようにと先月に続いて元気カラーの真っ赤な服のスウさん、金沢から電車に乗って来てくれるきりりんさん。今日は三人です。 被災地のこと、政治のこと、あれやこれやのつもる話の中で…

読書会メモ①〈宮沢賢治を読むつどい〉

昨日のうちに記録として書くはずでしたが、ぐずぐずしていて一日遅れです。 ***・・・・・・・・・・・ 1月31日~2月8日までの9日間、(定休日も含むので実質は8日間)図書館は蔵書点検のため昨日まで臨時休館でした。 あいにく読書会の日が重なっ…

『パレスチナの民族浄化』(イラン・パぺ)を読んで

今日の中日新聞によると孤立集落はまだ24地区。 亡くなられた方、168人、連絡がつかず安否不明の方は323人 テレビから目が離せない。雪の降る中、懸命の救出が続けられ命のかけがえのなさに胸熱くなります。 家族であったり、友人だったり、、、誰も…

『トゥー・キッズ・ア・デイ』&『パレスチナ/イスラエル論』

NHK総合『デフ・ヴォイス』(後編)Eテレ『トゥー・キッズ・ア・デイ』 土曜夜、みたいと思っていた番組があいにく同じ時間に重なってしまった。 一瞬迷ったけれど、手話はくり返し見たいので総合を録画することにして 教育コンテンツの国際コンクール第5…

『ガーダ 女たちのパレスチナ』(古居みずえ/岩波書店)より

すうさん、マー君のママさん、コメントありがとうございます。胸打たれる二本の作品を続けて観たので、より一層、かけがえのない日常が失われていく不条理をひしひし感じました。 あれから12年、攻撃はさらに激しさを増し過酷な状況の中で子どもだったあの子…

パレスチナを救うために

一日も早くガザの惨事を止めるためにガザのことを知ってもらいたいと、昨日の午後、スウさん宅で上映された二本のドキュメンタリー 古居みずえ監督の 「ガーダ パレスチナの詩」(2005年)「ぼくたちは見た ガザ・サムニ家の子どもたち」(2011年) 集まった…

一冊の本をめぐって~“片足で挑む山嶺”

2005年、鳥屋町・鹿島町・鹿西町の3町が合併して誕生した中能登町。ふと鳥屋町に関心を抱いたことがきっかけで、中能登町のHPを開きました。調べ方が足りなかったのかもしれませんが、旧町について必要な情報は残念ながら見当たりませんでした。幸いにも唯…

キーワードは…「みんな」

朝から冷え込んで、時おり激しい雨風でしたが今日は、袴田巌さんの『主よ、いつまでですか』(北陸学院大学ヘッセル記念図書館からの貸借本)の返却期限日だったのでどうしても出かけなくてはなりませんでした。 「雨にあわれませんでしたか」マスクの図書館…

『主よ、いつまでですかー無実の死刑囚・袴田巌獄中書簡』②

**1983年の日記の中より** ☆1月1日晴 「午前祝辞を記する。日本弁護士連合会人権擁護委員会宛。午後本、新聞読む。一時間ほど室内体操行なう。昨夜は一時頃眠って今朝七時三十分に起床した。監獄の元日の挨拶でも「おめでとう」と言うんですよ、ちょっと…

『主よ、いつまでですかー無実の死刑囚・袴田巌獄中書簡』①

「…私も元気でおります。私のことで親類縁者にまで心配かけてすみません。こがね味噌の事件には真実関係ありません。私は白です。私は今落着いて裁判をまっております。私は暖部屋にはいていますので現在なんの…」(記載ママ) 11月2日の中日新聞の特報記事…

『福田村事件』(辻野弥生)を読んで

『福田村事件ー関東大震災・知られざる悲劇』(辻野弥生//五月書房新社/2023.7.10) 中日新聞(8月27日)の永田浩三さんの書評を読んで強く関心をもった本。羽咋市立図書館からの相互貸借で読むことができました。各図書館にぜひ置いてほしい本だと思いまし…

図書館の名探偵たち(1)

土曜夜のNHK「レギュラー番組への道」はその名も「図書館名探偵の事件簿」小さな図書館の日々がすっぽり重なるような番組でした。 既に8月に放映されたらしいのです。図書館loveの私としたことがうっかりしました。 名探偵よろしくホームズの衣装で登場した…

~澤地久枝さん~『発信する声』より(鶴彬の命日に)

澤地さんによれば、「斃死」、と呼ぶべき無念の死をとげた鶴彬。命日の今日、かほく市の浄専寺さんでは第6回墓前法要が行われ、歴史公園では、第25回鶴彬をたたえる集いが開かれるという。 今、手にしているのは澤地さんの『発信する声』(かもがわ出版/200…

~澤地久枝さん~「ミッドウェー海戦」の記録

澤地久枝さんのお姿を見るのは久しぶりでした。 まったく偶然に、NHK朝のニュース《おはよう日本》で8分間。そして、もう一つはNHKの一時間番組《“異形の死”と向き合い続けて~ミッドウェー海戦 3418人の命を悼む》 *** 10代のひとたちが戦争をどう考え…

鶴彬~一叩人~澤地久枝さんへとバトンは渡されて

鶴彬のこと、澤地久枝さんのこと、どうしても伝えたくて、今日、の書き出しが、昨日、一昨日、になり…とうとう四日たって、ようやくの報告です。 *** 9月3日(日)、隣町のかほく市高松町で開催された佐高信さんの講演を聴きました。会場の高松産業文化セ…

戦後78年~平和の俳句&『こんにちは 八名信夫です』

昨夜はスーパームーン、雲間から現れるお月さまを眺めました。今日の朝ドラ『らんまん』でも大きな月を見上げる場面がありましたね。今週のサブタイトルは、「オーギョーチ(愛玉子)」。台湾での呼び方から名づけられたという学名だそうですが、 「学名とし…

「こころの時代~翻訳者・坂東弘美」より

『はだしのゲン』はわたしの遺書、わたしが伝えたいことは、すべてあの中にこめました、と中沢啓治さん。 『はだしのゲンはヒロシマを忘れない』(中沢啓治/岩波ブックレット/2008年)ではゲンはぼく自身、ぼくの目に焼きついている原爆の姿、しつこく、しつ…

私たちは黙らない!

『私たちは黙らない!』~平和を求め軍拡を許さない女たちの会~(関西/編) 2022年12月23日、岸田政権が閣議決定した23年度政府予算案は、歳出総額の9%が軍事費、27兆円から5年で43兆円へと膨らむ。 この異常な大軍拡路線の危機に猛反対する女たちが、わ…

【美の壺】~心を癒す宿~に和田屋さん

白山市鶴来町の和田屋さんが「美の壺」で紹介されたこと、友人が知らせてくださったおかげです。17日、再放送を見ることができました。いつも好んでチェックしている番組なのに、なんともうっかりしていました。 タイトルは「心を癒す宿」修善寺温泉の老舗旅…

《内灘闘争70年記念シンポジウム》と『内灘今昔物語』

日曜日、隣町の「内灘闘争70年記念シンポジウム」に参加しました。「金は一年 土地は万年」と書かれたむしろ旗スローガンが飾られた内灘町役場町民ホールは、次々に椅子を補充してくださっても追いつかないほどの大勢の人たちでした。高齢者のみならず、若者…

序文~『或る農学生の日誌』~『稲作挿話』

賢治さんが26歳の頃の9篇の童話が収録された『注文の多い料理店』その巻頭に透きとおるように美しい序文があります。 wuisizenさんからいただいたコメントで三年前のブログを思いだしました。 https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2020/12/05/134222…

ふたりだけで《銀河鉄道の父》

6月1日の読書会「宮沢賢治を読むつどい」。いつものようにみんなで「星めぐりの歌」をうたい、『注文の多い料理店』の素敵な序を読み、その日は『或る農学生の日誌』を始めるはずでした。 ところが、細川律子さんの「昨日《銀河鉄道の父》をみてきたんです…

「能」をたのしむ

《新聞の投稿に惹かれてリクエスト》https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2023/02/18/164328 寄贈依頼はその後どうなったか不明のまま4月、それとは別に相互貸借で見ることができました。 小川正吾さんの言葉のとおり、ほんとうに美しい本でした。藪…

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。