小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

西川美和監督の「わたしの知らない子どもたち」を観ました

10月22日、なにげなく見ていたNHKニュース―ンの
西川美和監督のインタビュー番組で
画面に映しだされたのは

佐木隆三さんの『身分帳』

―ものごころを覚えた昭和二十年末、母親と離別した。
終戦直後の社会混乱の中で、母親が本人を孤児院に預けて
音信を発ったのである(中略)
天涯孤独の身の上になった。―


数年前、ブロ友さんの記事で知って
相互貸借で読んで印象に残った一冊でした。

西川さんは主人公の幼少期について書かれた
この僅かな数行に着目して

戦争孤児をテーマにした映画
「わたしの知らない子どもたち」が
生まれたそうです。

 

前作の「すばらしき世界」で
主人公の幼少期、少年時代を描いて
あげられなかった心残りがあった…

犯罪や暴力に巻き込まれていた人たちは
ルーツはどこなのか。
戦後、誰も面倒を見ず
誰も手を差し伸べなかった子どもたちが
原形ではないか。

今も各地で戦争が起きている。

戦争を体験していない世代だけど
そういう世界はよくないと
言い続けないといけない。

作品に残さないと
まるでなかったかのように
私たちは忘れてしまう。

 

と、原案も、脚本も、監督も西川さん。

全国に12万人あまり(1948年の厚生省調査)という戦争孤児に
日本政府、日本社会は冷淡だった。
「浮浪児狩り」「浄化作戦」の取り締まりの対象でした。


戦後の混乱の中で、
必死に生き抜こうとする孤児たちは
健気で、明るく、たくましい。
リアルな映像も、音楽も、美しい。

***

一方で、こんな大人や子どもたちがいたこと思い出しました。

品川博著『光の中を歩む子ら』と
『鐘の鳴る丘 「少年の家」20年の記録』より

https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/10/30/130405
(明日は選挙に行こう)
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/11/02/191131
(光の中を歩む子ら)

***

映画を観たのは10月30日の午前中。
もう三日も経ってしまいました。


実は、その日の午後、金沢へ出たついでに
もうひとつ行きたいところがありました。

「金沢舞踏館50周年記念展示」(~11月1日/金沢21美市民ギャラリー)

吉多三菜さんとのご縁です。
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2023/10/06/121716
企画展「草木染・手織り 河合和子 紬のショール展」

(次のブログで、このことを)

「読者が選ぶ中日グッとコラム」&たすけてくれた人

新聞週間(10月15日から一週間)について、ふと興味を抱いたのがきっかけで
新聞協会のHPを初めて覗きました。

昨年までは、毎年、標語募集もあったことを知りました。(一覧表あり)

第1回(1948年度)・・・「あなたは自由を守れ、新聞はあなたを守る」

第78回(2025年度)・・・「ネット社会 それでも頼る この一面」

先月、中部9県で発行する中日新聞の記者コラム(1月~6月)の中から選ばれた16点のコラムが、20代から40代の記者さんの顔写真と共に紹介されていました。

「真実と 人に寄り添う 記事がある」(2018年度)の標語そのままのコラムです。
 
新聞週間の企画として、この中から「読者が選ぶ中日グッとコラム」の
インターネット投票結果がこのほど発表されました。


☆金賞//篠崎美香さん(富山支局)の「運転手へ」

心筋梗塞で父が倒れたとの知らせで、故郷の茨城県の病院へ夜通し車を走らせ、残り30キロ地点まで来たが…事故で片側一車線をふさがれ立往生。トラックの運転手が前方の運転手に幅寄せを頼み、焦らずにと、お菓子まで…名前も知らず、届く望みは薄いが、「荷台が緑色のシートで覆われ、石川ナンバー」の運転手に感謝を伝えたい。 ~~~「あなたの親切のおかげで、父の最期に間に合いました。」


☆銀賞//伊藤純平さん(春日井支局)「生き方を考えよう」

ある小学校の6年生の授業で「憧れの人」を挙げてもらったら、2人の児童が「西角歩さん」と書いた。いつも笑顔の近所のお母さん…先生は詳しく話を聞きたいと授業に招いて講話をしてもらうことにした。重度の知的障害の双子の息子さんがいる。子育ては壮絶で…前のめりで聞き入った子どもたち。

 

☆銅賞//堂下佳鈴さん(月刊県民福井)「優しい視点」

会議の議題は福井市の教育施策の基本理念について。市が示した案「自分らしく輝ける教育の推進」に、委員の一人が遠慮がちに発言した。

「輝く必要はありますか?」

予想外の質問に、他の委員と同様、堂下さんも思わず笑ったという。でも~~
「輝く」から連想される、頑張ることや成功すること、前向きであることはどれもすてきだ。でもそれだけが正解ではない。輝けない自分も認めていいんじゃないか。質問は、ありのままであることを肯定する優しい視点からの指摘だった。

「なんだか、心がフッと軽くなった」という堂下さん。


☆銅賞//大野沙羅さん(社会部)「証し」

(https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2026/08/04/180448)
以前から注目していた沙羅さんです。

移植ができる臓器の中でも、腎臓は特に希望者が多く、平均で約15年待たなければならないそうで、
19年待って、2年前、移植を受けた太田さん(47)は、長年の人工透析で血管がこぶのように隆起した「闘いの証し」が残るが、手術後は、制限されていた水をごくごく飲めるようになり、、、日常を取り戻しつつあるという。5月、市内で臓器提供者の冥福を祈って営まれる「ドナー慰霊祭」に出席した太田さんに、

「今日は奥さまと2人でいらしたんですか」と尋ねると、
体に手を添えてかみしめるようにこう答えた。
「いえ、3人です。ここにいますから」

タイトルの「証し」に込められた深い想いを反芻した。


***

昨日は、北欧に住む娘から電話があって
見知らぬ人から受けたとびっきりの親切を
一気に話してくれた。


先週、初めて行った場所でのできごと。
車の運転中に異常を感じ、何が起こったのかととめてみたら
右前輪のタイヤの空気が抜けてぺしゃんこになっている!

どうしたらいいか?
ああ、もうすぐ暗くなる。。。

一応、家族にパンクの写真を送るが
つれあいは国外へ出張中、義父は療養中で
親しい同僚のだんなさんを頼りにしたが
彼はテニスのプレー中で連絡がつかないらしい。

犬と散歩中の人たちが4人ばかり通り過ぎたが
だれも手助けしようとはしてくれないし、
すっかりパニックになって
日本でいうJAFはないものかと同僚に相談している時
向こうの方から背の高い男性が近づいてきて
英語で話しかけてきた。

車がパンクして困っているみたいだが
手伝いましょうかとやってきた外国人(?)

スペアタイヤを見つけ出してくれて
びっくりするほど素早く入れ替えて
外したタイヤは車に積んでくれて

高速はだめだとか
どれぐらいの距離までなら大丈夫とか
アドバイスまでしてくれた。

偶然、通りかかった
ビジネスマン風の男性は
オランダに住むオランダ人だった。

互いに名乗りあって、握手して、
じゃあ、とバイバイした話。

夏...「雲の上の図書館」へ

三日前のNHKBS【新日本風土記~四万十川~】に
梼原の町や図書館が映し出されたのを見て
この夏のひとこまを記したくなりました。

https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2026/07/18/222455
ここでは、ほんのちょっとしか旅行に触れませんでしたので。

***

来日早々、赤坂の繁華街で、なんと!
娘がマダニにかまれて危ない目にあったけれど
孫娘(K)との素早い連携で事なきを得たという話や

五日間の四国旅行は、夫の風邪でダウンから始まって、言葉巧みな観光PR誌につられて入った○○食堂が期待外れだった話/四国からのバスの居眠り運転に気づき、運転手を眠らせまいとあの手この手で必死に起こした話/皇室献上品が看板のお店の食アレルギーに対する意識が低すぎた話...今となってはどれも笑い話になりました。

 

「津幡町立図書館30周年記念イベント」の前夜
尻込みする私に、お別れにと、Kがていねいにマニキュアを塗ってくれました。

右手の親指の爪の先端に微かな銀色の少数点となって

10月に入ってそれもいつしか消えました。


~☆~☆~☆~


娘が行ってみたいという図書館がありました。
初めて耳にした不思議な名前の図書館は


「雲の上の図書館」


夫をホテルに残し、息子の運転で出かけました。
高知市から1時間、四万十川の上流の
梼原(ゆすはら)町。

山奥のこの町に
わくわくする図書館がありました。

木の香りに包まれた図書館は
床はフローリング、靴を脱いで入ります
「だんだん」ステージがあって
おしゃべり自由、館内撮影OK、飲食自由
お持ち帰り自由の「雑誌譲渡コーナー」もあり
あたたかな雰囲気でした。

ボルダリングやカフェがあり
グランドピアノが置かれています。

“いろは”順(あいうえお順でなく)の本棚も新鮮でした。

若い男性スタッフの数が多いように感じました。
大きなポケット付きの前掛け姿がかっこよく
通りかかったスタッフに声をかけたら、二つ返事でモデルになってくれました。

朝9時から夜8時までの開館です。

担当者に直接インタビューすればよかったと後になって思うのですが
図書館員は何人?本の装備や予算は?など
図書館のバックヤードについて知りたいことがありました。

 

HPが充実していて、イベント情報、「今日の一冊」を見れば
エネルギッシュで、質の高い図書館の全容がわかります。

 https://kumonoue-lib.jp/

 

隈研吾さん設計の図書館でした。

梼原町には、図書館の他にも、
庁舎、福祉施設、まちの駅、ホテルなど
隈研吾さんによる建造物があって
町の観光スポットとなっていました。

 

☆新聞情報によると、石川県では
2030年10月の開館を予定している小松市の未来型図書館、
2028年度末に営業再開予定の能登の和倉温泉の
「加賀屋新館」建設にも関わるとか。


☆石川県立図書館の企画展「本のある風景」(~11月23日)も関心があります。
国内外で注目される豊かな個性の図書館が紹介され、公共図書館の役割と可能性を考える内容とのこと。

ゆっくり時間が流れて

今日はピンクの大きなアサガオが三つも開いた。

きもちよく晴れたので、あちこち窓を開け放って
せっせとお洗濯したり、枕やクッションを干したり…

夫はテニスの試合で出かけて
今日のお昼は私一人分です。

たっぷり作ったチキンカレースープだけで充分なのだけれど
なんだかふっと「お弁当」が食べたくなった。

使いにくいと娘がくれた北欧のタッパーウェアは
1/2、1/4、1/4の三つに仕切った14cm四方のお弁当箱

ちょっと多めの玄米ご飯の真ん中に梅干しを入れて
好物のちりめんじゃこと越前三国の干しわかめをかけて
甘めの卵焼きを添えた。

小スペースには
そうめんカボチャ(テニス仲間のFさんから)と胡瓜の酢和え

もうひとつのスペースには
息子が送ってくれた湖畔りんご園の「秋映」を
ひと口大に切って山盛りにする。

ありあわせのささやかなランチが美味しい
ゆったり流れる時間も心地よい

久しぶりに友人から長い手紙が届き
午後からは夏物衣類の入れ替えにとりかかる。

(夫たちは、接戦を制して二回戦へ)

***

 

(8月~9月)ブロ友さんの紹介で出逢った図書館本たち

☆『目覚めるとひとりだと気づく-家族が過ごした最期の日々-』(阿川佐和子・加賀乙彦・小池真理子・曾野綾子・永田和宏・眉村拓・柳田邦男・吉行和子/2026/文藝春秋)

☆『原発をとめた人びと-奥能登・珠洲 震源地からの伝言』(七沢潔/2025/地平社)

☆『読書会という幸福』(向井和美/2022/岩波新書)

☆『ふたりの読書会-無期受刑者との本をめぐる往復書簡』(向井和美/2026/岩波書店)

☆『人新世の黙示録』(斎藤幸平/2026/集英社)能登町立中央図書館より相互貸借

☆『春姫という名前の赤ちゃん』(文・ピョン・キジャ/絵・チョン・スンガク/2017/童心社)県立図書館より相互貸借

☆『とうきび』(詩・クォン・ジョンセン/絵・キム・ファンヨン/2016/童心社)

☆『名画座時代―消えた映画館を探して』(阿奈井文彦/2006/岩波書店)   

9月の日々(備忘録)

今日のアサガオは濃いピンク色でした。
白いのやら青いのやら…この頃になって
お風呂場の外のアサガオが次々に咲き始め
今日は何色かなと、朝、窓を開けるのもたのしみです。

***

賢治、詩、古典の三つの読書会や
週3~4回ののテニス練習
ブロ友さん紹介の本を読んだり、お出かけしたり
気がつくと9月もはや終わりです。

 

~私の9月のトピックス(備忘録)~

5日:夫と「路上お邪魔ですか」(金沢21世紀美術館)へ
赤瀬川源平、藤森照信、南伸坊、杉浦比南子、荒俣宏…さんらの路上観察学会の創設40周年。路上には、自由と邪魔が同居しているらしい。路上は誰のもの?
大道芸人・ギリヤーク尼ヶ崎さんの圧巻のビデオも見物。

「路上」はなんだか面白そうだ。

 

7日:問谷元子さんに誘われて「ニッポンの美紙展(巴水/夢二/暁斎)」(県立美術館)へ。和紙店「榛原」の豊富なコレクションを堪能した。

お昼、元子さん推奨のエムザのタニタ食堂ランチをめざしたが、数日前に閉店したとかで、従業員が片付け作業の最中だった。せっかくきたのにねぇと応対してくれたスタッフに残念がっていたら、私をみつめながらどこかで会ったことがあるという。

もしや保育園の先生でした?
それとも学校の先生?

横から元子さんが「津幡の図書館の…」と言うと、彼女は目をまん丸くした。
なんとまあ、かつてのお隣さんのお嬢さんだった。

そういえば小さい頃の面影があった。
あんまり懐かしくて思わずハグをした。元気そうで嬉しい。元子さんに大感謝。

 

23日/24日:「能登和倉国際女子オープンテニス復興支援大会2026」(和倉温泉運動公園テニスコート)へ

津幡ジュニアテニスで夫のクラスだった板谷里音(リコー所属)さんが、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場するので、テニス仲間たちと応援に駆けつけた。

三回戦では石井さやか選手に完敗したが、ベスト8のすばらしい活躍だった。
大会トーナメントディレクターの佐藤直子さんも大いに喜ばれたそうな。

 

25日:石川県シニアテニス連盟主催の「オータムマッチ」
男性3女性4、12チームがABCのグループにわかれて
ミックス、女子ダブルスの親睦テニス(夫はキャンセルして和倉へ)

☆Mさんが差入れをもって立ち寄ってくださった。お庭の木の根っこを引き抜こうとして無理をして、足腰を痛めてしまい大会に参加できなくなったらしい。

ブログも読んでくださったそうで
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2026/07/31/141542

なんと「映心会」書作展の最終日、午前の部に参加、一時頃まで会場にいたんだとか。

☆これまで会釈程度だったT子さんとお近づきに。
観戦しながらぽつりぽつりとお子さんのことやらご主人との出会いやら…ひとつ違いのT子さんと新たな出逢い。

 

27日:内灘町テニスコートで「河北郡市テニス協会交流会」

かほく市/18名、津幡町/27名、内灘町/24名(計69名)
途中参加、途中退出可のゆるゆる親睦テニスなので
午後は、テニスコートからふたりで「しいのき迎賓館」へ向かった。

県立美術館へご一緒した時、元子さんから
「かな書四季展」(後援:寒玉逕翠会)の案内を頂いたのだが
最終日にまにあってよかった。

宮本竹逕さん、田島方外さんの書、
会長、会員の作品を拝見した。

問谷犀方(元子)さんの温かな作品は
金子みすゞの「蜂と神さま」

2003年の「図書館だより」で紹介した詩
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2023/04/29/134919
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2024/08/26/145147


☆中日新聞第5面のコラム《言わねばならないこと》は
師岡カリーマさんの【残すべき瓦礫】

「ガザの瓦礫は紛れもなく(イスラエルの犯罪の)証拠」
「瓦礫の撤去はすなわち、ジェノサイド(集団殺害)をなかったことにするための証拠隠滅であると同時に、人の死体をゴミのようにブルドーザーで廃棄するということなのだ。・・・」(Toshiさんのブログに全文掲載。東京新聞では一日早い掲載)

 

☆大の里が優勝してほっとした。

お父さんにとってもつらく長い一年だったに違いない。

細川律子さん「宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」を!

AOさんのブログを覗くまで、すっぽり忘れていました。
老人なのに、昨日が敬老の日だったこと。

今年は、賢治生誕百三十年。
私にとっては、昨日の21日は宮沢賢治の命日、
花巻では毎年「賢治祭」が開かれる

そのことばかりが頭をよぎっていました。

実は、宮沢賢治学会イーハトーブセンターの情報で
本年度の「宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」(2016年創設)に
細川律子さんが選ばれたことを知って大喜びしています。
表彰式は今日の午後!

https://www.kenji.gr.jp/korosho/

☆宮沢賢治の童話にちなんだとっても素敵な三つの品々が
副賞として贈られるそうです。

ほんとうにおめでとうございます。


***


― 細川さんの著書 ―

『花菜畠/ふるさとの小さな物語』(2001年)
『宮沢賢治の国より』などの著書(初版1989年/第五版1999年)など。

2007年7月には、『雪嶺文学』第20号(1998年)~第34号(2004年)に掲載された「賢治植物の・散歩道」を加筆・修正・再構成した『風と光の散歩道-宮沢賢治の植物を訪ねて-』を出版。花や木や実…細川さんのスケッチ画が優しく美しい。
p164「あんず」の項は、小さな図書館の読書会のことから始まります。

↓

「宮沢賢治をよむつどい」は、二〇〇ニ年四月、河北郡津幡町立図書館の「ちいさなへや」でスタートした。
「毎月、宮沢賢治の作品を一、ニ編、読んでいきます。配役を決めて読んだり、順番に読んだりして楽しみます。練習はいりません。どなたもご遠慮はありません。おいでんなさい。とびどくもたないでくなさい。」
 私のつくったこんなチラシを見て集まってきたのは九人。当時、宮沢賢治の読書会をつくってはとすすめてくれていた館長さん、そして、図書館を取材にきていた新聞記者の方もまじっていた。
 テキストは『宮沢賢治全集・全十巻』(ちくま文庫)図書館の読書会だからと館長さんは、テキストを各巻十冊ずつ用意してくださった。
 さっそく、第五巻目の「蜘蛛となめくぢと狸」の童話から読み始めた。初めは、どの人もぎこちなく、それがまたユーモラスに思えてくすくすと笑い、だんだんなれて堂々と登場人物になりきって読むのも、またおかしく、なごやかな集いの時間が流れるのである。
 集いの会場は、その名の通りの「ちいさなへや」で、大人の肩が触れ合うように座ってやっと、十二、三人。窓からは、いつも、隣家の椿も緑がのぞいて見えた。
 このなれ親しんできた小さな図書館が、新しく大きな図書館に生まれ変わることになったのは、ニ○○五年八月であった。小さい読書会「宮沢賢治を読むつどい」も、そのまま移行することになり・・・(後略)(「ちいさなへや」⇒「みんなのへや」のこと)

そして《あとがき》は

「…そして、1996年発足以来、共に賢治の作品を楽しんでいる「石川・宮沢賢治を読む会」のみなさん、津幡町立図書館「宮沢賢治を読むつどい」の方々、私の活動をいつも陰で支えてくれている「はまなす文庫」の子ども達や各地の文庫の仲間達、家族みんなにも、たくさんの感謝をこめて。 平成十九年四月 庭にすずらんが咲いた日に」

と結ばれています。


― 追記 ―

7月12日、津幡町立図書館開館30周年記念「宮沢賢治の世界」で
みんなで30周年を祝ったのでしたが・・・


~細川さんの「はまなす文庫」HPより~

 
 このような私の文庫活動を長い間

 支えてきてくれた夫が、7/21の夕方、星の瞬くのを

 待って銀河鉄道に乗って、旅立っていきました。

  彼は、賢治と同じ岩手大学農学部で学び、

 賢治の大ファンでもありました。

 今年の春には、二人で大学の構内を散策し、賢治の時代

 から残っている、資料館にも立ち寄り、生誕130年を

 迎える賢治を偲ぶことができました。

  そんなわけで夫は賢治の銀河鉄道に乗って、

 旅の途中ですので、その間、しばらく文庫はお休みして、

 ゆっくり見送りたいと思っています。

 

(闘病中とはうかがっていましたが急なことでした。

細川さんらしいお見送りの言葉が胸に沁みます。)

折り紙名人~田狭さん~を偲んで

昨日の新聞のお悔み欄に
懐かしい田狭(たさばさみ)伸彦さんのお名前がありました。

「たくさんの孫に囲まれ、とても優しいおじいちゃんでした」
と奥さまの言葉。

長らくお目にかかったことがありませんでしたが
今も目に浮かぶ、でっかい体の、いつもにこにこの田狭さん。

65歳とは…あまりに若すぎます。

***

初めてお目にかかったのは30年前、
図書館が誕生した1996年の暮れでした。


田狭さんは津幡署(能瀬派出所)の巡査長。
大学時代から折り紙が趣味で、日本折紙協会の会員で
勤務外の休日を利用して、公民館や保育園などで
折り紙の講師をされているらしい・・・

☆その噂を耳にして、ぜひ図書館でもよろしくと依頼して
さっそく翌年の2月に開催した

《おりがみで遊ぼう!おまわりさんと作ろう!》


「えほんのへや」のドアを開け放ち
ブックトラックやスツールを大移動。
調達した長机を囲んで30人を超える子どもたち。

田狭さんの太い指から魔法のように
ひょいひょいと生まれる
カエルやハートの指輪や不思議な紙飛行機!
みんな歓声をあげました。

「折り紙の楽しさ学ぶ 児童ら、お巡りさん講師に」(中日)
「おまわりさんと折り紙遊び」(北國)

地元紙に写真入り記事が掲載され
折り紙教室は大人にも好評で
5月からは毎月一回の開催となりました


☆秋の読書週間イベントとして、10月25日には
警察官の制服、制帽に、図書館の黄色いエプロン姿でカウンターに立ち
「ちいさな図書館の“一日館長”」をつとめていただきました。

午後は「おまわりさんと作ろう!遊ぼう!」で
交通安全教室と折り紙教室(30人)

☆『図書館だより』への感想もいただきました。

「図書館の折り紙教室の講師をしているということで、一日館長に任命されました。ふだんなにげなく利用していたのですが、体験してみて、カウンター業務の忙しいのにびっくりしました。楽しい一日でした。 田狭伸彦(能瀬)」  

 

☆https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2001/11/16/000000
第1回折り紙入門開催。10人ほどの人たちが、みんなのへやに集まって折鶴の基本から「妹背山」「扇に鶴」など、折鶴のいろいろをおまわりさんの田狭伸彦さんから教えてもらいました。また一回りでっかくなった!感じの久々の田狭さん、太い指から次々に繊細な作品が生まれていくのが絶妙です。

☆https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2002/12/14/000000
午後の部は1時半から「おまわりさんと折り紙」。折り紙大好きな子どもたちや大人18人、田狭伸彦さんの指導で、サンタやツリー、トナカイなどのクリスマスグッズが次々にできあがり、おまけに「羊のぽち袋」も教えてもらったのですよ。

***

田狭さんが町外へ転勤されて、お忙しくなって、教室はなくなりました。
が、折り紙を愛する方たちの協力で折り紙の輪は広がって、入門講座は続きました。 

 

2005年4月の町の『広報 つばた』の表紙を飾ったのは、みなさんのはじけるような笑顔満開の、小さな図書館でした。

「わたしの椿も咲いたわよ♪」…“町立図書館で、であい講座「椿・いろ・色」が行われました。椿のお話を聞いた後、折り紙にチャレンジ。完成した色とりどりの椿を手にハイ!ポーズ!”(3月24日)

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。