小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

私たちは黙らない!

『私たちは黙らない!』
~平和を求め軍拡を許さない女たちの会~(関西/編)

2022年12月23日、岸田政権が閣議決定した23年度政府予算案は、
歳出総額の9%が軍事費、27兆円から5年で43兆円へと膨らむ。

この異常な大軍拡路線の危機に猛反対する女たちが、
わずか一ヵ月でオンライン賛同署名7万5千、声明文を出し、記者会見し、
まとめられた30人の175ページ。

沖縄、第五福竜丸被爆者、障がい者、シングルマザー、外国人労働者ヘイトスピーチ、、、さまざまな視点からの反戦の声…期間延長して読んだ図書館の本です。

 

~☆~☆~(抜粋メモ)~☆~☆~

・「国」を守るとは言っても、「民」を守るとは言わない日本政府

・戦争する国は美しい大義名分を掲げるが、戦争には悪しかない
爆弾で人間の命を奪うだけである
戦争は始まってしまったら手がつけられない
犠牲になるのは一般の人々だ

・戦争は人間だけでなく、猫も犬も木も花もあらゆる命を殺し、焼き尽くし奪っていく
だから絶対に始めちゃいけない。始めようとしたら止めさせなくちゃ

・すでに公教育において戦争への準備は進みつつある

教育基本法改悪の際、大江健三郎さんは「教育の力にまつべきである」との言辞が改定文から脱落していることに鋭く警鐘をならした

・「戦争は教室から始まる」と気づいたかつての軍国少女、しかし
「戦前の教育はすでに復活している」と98歳の北村小夜さん。

・「戦争が廊下の奥に立っていた」(渡辺白泉/1939年)
戦争が警告を与えながら来るのではなく、ぬ~っと薄ぼんやりといつからかそこにいるという恐怖の句

・戦争の開始は、社会の中でそれを容認する空気が創り出され、市民は知らず知らずに受け入れさせられていく

・戦争ができる国にするために権力者が行うことは今も昔も変わらない
歴史は繰り返すものではなく、未来を守るものでなくてはならない

・望月衣塑子さん(東京新聞記者)

「そもそも、政府が米国と事前に調整した内容を閣議で決定し、その後に国会で承認するのは、本来ならば順序が逆だ。国会軽視は国民軽視であり、主権国家の尊厳にもかかわる。そんな非民主的な政府の手続きを、メディアが報道で後押ししてはならない。」
閣議決定で進む岸田政権の「異次元の軍拡路線」を検証・監視するのは本来、メディアの役割だ。ところが…」
と、政権側に寄り添って軍拡を後押しするメディアの重大責任を問い、反戦のみんなの声をたぐり寄せたいと願う。


田中優子さん(法政大前総長)

「今、世界が協力して立ち向かわねばならないのは「気候変動」戦争している場合ではない」

アメリカと一緒になって軍拡を煽り、軍需産業に貢献し、そのために戦争を始め、やがて今のロシアとウクライナのように、引き返すことができなくなります。その道の始まりのところに、私たちは立っています。しかしまだ今なら引き返せます。わたしたちの「戦争反対」を声に出して訴える力だけが、それを可能にします」


東京大空襲を生き延びたお母さんは『はだしのゲン』は必ず読みなさいとどこからか借りてきた。弟も読んだという酒井かをりさんは、戦争をはじめない決意と、引き返すための対話を!と訴える。


☆親が、わが子にこれだけは読ませたい、といいきれるマンガはそうあるものではありません。

我が家にある『はだしのゲン/第1巻~第4巻』(汐文社/1980年第23刷/初版1975年)は、いつの間にかカバーはなくなって、表紙は茶色く日焼けして、あちこちシミだらけです。その当時、上の子たちは10歳、8歳。末っ子も小学生になってから読んでいました。遊びにきた友だちも夢中で読みました。

☆連載から50年経った『はだしのゲン』、6月18日の中日新聞第一面は
《金沢のNPO法人はだしのゲンを広める会」が全国の都道府県立図書館など五十カ所に所蔵アンケートを実施し、日本語版と英語版の寄贈を、希望した27館に順次届けている》という心躍る記事でした。

予約希望者が多く、なかなか順番がこない図書館もあるらしいが、一方、所蔵もせず、寄贈も希望しない図書館があることには驚いた。今どき、「漫画本は収集の対象外」を理由に挙げたとか。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。