小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

44年ぶりに出現したもの

大きな窓ガラスを通して
やわらかい陽ざしが降り注ぐ
シグナス2階のロビーでのコンサート。

広い階段を上がるとフリースペースのロビーです。
かつての小さな図書館の閲覧室よりも広そうです。
階段を上ってきた人たちの座席を次々後方に
容易に準備できるいい空間です。


ピアノ&二重唱の熟女たち
「カンタ・マードレ」の優しい響きが
伸びやかに広がりました。

一曲一曲、眞知子さんの分かりやすい解説で
コンサートは進みました。

メンデルスゾーンの『ゆけ わがそよ風』は
めずらしく女性二重唱の曲だそうです。

はじめて、小学生の女の子たちも出演しました。
「てのひらを太陽に」は三年生のくるみさん
エーデルワイス」は五年生の結花さん
素直な、澄みきった歌声に大きな拍手。


イベントの挨拶は生涯教育課の井上さん。
小さな図書館の初めての男性職員でした。
一緒に働いたのは最後の4月の一ヵ月だけでしたが。

(*シグナスの設計は五井建築研究所によるもの)

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昨日のすてきなひとときを思い出しながら、俄然やる気を出して、ふたつの探しもの(『母の友』ともう一冊)にとりかかりました。

書棚や押し入れなど思いつくままに探しますが、肝心の本がなかなか見つからない。
ふと、棚に積んであった大学ノートが目に留まりました。

学生時代の講義録です。いい加減、これは始末しなければね。

ところが、その中に

大学ノートを「家計簿」がわりにしたのが一冊混じっていたのです。こんなはずではなかったのですが、ついつい横道にそれて読み始めてしまいました。(このパターンはよくあることですが)

こんなノートが存在していることも、
書いたことさえ記憶にないノート。

日々の出費や献立や
[パパ、ママ、子ども、家族]の行動が
かなり真面目に記載してあります。

末っ子の保育料10,020円。
肺炎になりかかって医者通いをしたこと。

8歳の次女は、8月20日
「スイミングからの帰り、加賀爪交差点にて、青信号の横断歩道で車が接触、背中打撲、擦り傷」…(近くの整形外科へ駈け込んだあの日のこと)


[ハチの巣観察]の記録なんかもありました。

8月2日(4:55ごろ)
ドアのところにハチがいるのを見つけたふたり。
弟は木を削っているように見えた、
姉は巣を作っていると言った。

~5:40 
5:45~5:47 
5:52~5:54 
5:57~5:58 
6:01~6:03 

↓ お尻を穴の中に突っ込んで卵を産んでいるらしい。

6:06 終わり

しばらく近くにいたが、飛んで行ってもう戻ってこない

翌日、巣をとってみると、山吹色の5㎜の卵が一つ。
つるっときれい。(泥土の巣と卵の絵)


・・・・・

一時間ものあいだ、夕ご飯もそっちのけで
親子で夢中だったみたいですね。

けんかしたこと、外食したこと、テニスのこと、
すっかり忘れていた暮らしを追っていると
おや、おしまいの方にホクギンの封筒。

まさかと思いつつも
念のために透かしてみたら
思いがけないみっけもの。

…なんと…

44年もかくれんぼしていた
新札の聖徳太子が二枚!

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。