小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

家づくりの詩 ~ その後

文化会館の「シグナス」は、はくちょう座【CYGNUS】、
町民からの愛称募集で、町の鳥に制定されている「白鳥」に
ちなんで名づけられました。

「シグナス」全体のグランドオープンは10月の計画でしたが、
図書館棟は夏には既に完成ということなら、
子どもたちのためにもぜひ夏休み中に開館を!と提案して、
2005年8月1日、一足早いスタートでした。

「シグナス」の広々した図書館に来ると、
小さな図書館の最後の一年となる2004年に企画した
「で・あ・い講座~考えよう・新図書館~」の夜のこと、
ふっと思い出します。

その第一回(5/12)は、五井建築設計研究所の西川瑛治社長。
超多忙の中、準備してくださった設計図や資料をもとに、
詳細に、丁寧に、実にわかりやすく説明してくださいました。
第二回(6/24)は、前回の参加者からの質問や意見を参考に
手を加えられた箇所について解説をうかがいました。

センス・オブ・ワンダーの図書館》を育てるために、
これからもみんなで考えていきましょうとの呼びかけに、
西川さんも仲間宣言!!してくださって、
みんなのきもちがひとつになって、

わくわくした17年前の小さな図書館の夜…笑顔…声…

* ~ * ~ *

「まるで我が家を建てるよう。図面を見るなんて初めてでしたが、
楽しかったです」

「考える会に来てよかったです。新しい図書館のトイレを真剣に、
喧々諤々、語りあう!みんな自分(たち)の図書館を育てるみたいな
きもちがステキです」

「設計図の変更を見ると、使いやすく、居心地のいい図書館に
近づいているのがわかりました。今日も図書館、明日も図書館…
出かけていきたくなる図書館の完成を心待ちにしています」

「公共の建築物は、一般市民から遠いところで造られてしまう。
どんな会社か、社長がどんな人なのかは勿論、担当者が誰かも
関係者以外、知らないままです。こんな風に直接お話が聞けて、
ますます図書館が身近な存在になりました」

「利用者の意見を聴くような機会を有した図書館は、きっと
素晴らしいものになると思う。自分たちの図書館という
意識がもてる」

* ~ * ~ *

建築家の仕事は、単に美しいハードを作ることではなく、
暮らし方やコミュニティの在り方も含めた「気づくり」だと
考えていらしたという西川さん、68歳の若さで、
今年の2月27日に永眠されました。

ネットには、2月3日から亡くなられる11日前まで、
社会福祉法人佛子園の理事長さんと交わされたという往復書簡が
公開されていました。この10年間、情熱をもって取り組んで
いらしたというお仕事の一端や
「ごちゃまぜ」という考え方についても知りました。

2002年から3年ほど、ごく短い期間でしたが、
図書館のおかげで素敵な方に出会えました。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。