小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

家づくりの詩

紅茶の詩の時間に、私が持って行ったのは、
2002年10月15日の《ひと言・人・こと》で紹介した本。
先日、改定作業をしている中で再会したのです。


それは、2001年3月、20年前に出版された
『家づくりの詩(うた)~建築家が綴る心のメッセージ~』
石川建築家会議「すまいを考える特別委員会」(能登出版)の
六人の建築家たちの執筆・編集によるお洒落な小冊子です。
図書館で「詩をたのしむ読書会」の時間があることを知り、

 もし、よろしければ…

と、文化会館《シグナス》の設計監理者、
五井建築設計事務所の西川瑛治さんが寄贈してくださった。

家ってなんだろう?プロの提案する家は?
小さな本の中には、これからの家づくりにも
きっと役だちそうなヒントがちりばめられている。

西川さんがお書きになったのは…?
とても知りたかったのですが、
それは「ヒ・ミ・ツ」ですって。

 … ・ … ・ … 

☆建築家Ⅰ

建築家って図面を描くひと?
でもこれはホンのきれはし
本当は気がつきにくい価値を
みつけてくれるひと
とりだしてくれるひと
家づくりに、とっても大切なひと
 

☆二律背反

開放的でありながら、プライバシーが保たれている
斬新でありながら、格調が感じられる
堅牢でありながら、皮膚感覚がある
見慣れない空間だけど、おちつく
これくらいの矛盾は、じゅうぶん成り立つのです


☆便利なこと

便利なことはとてもいいこと
でも、一番大切なこと?
もっとも大切なのは
ムリなく自分でいられること
心地いい自分でいられること 


☆空間の豊かさ

空間の豊かさ
それは一番、見落としがちなもの
それは一番、発見しにくいもの
でも、これに出会うと
予想をしていなかった喜びと共に
なにか得をした気分になる


☆自然の力

昔の人は自然力を利用して生きてきた
今の人は自然科学の恩恵でしか
生きられないようになってきた
アブナイ!アブナイ!
もう一度、
自然の恵みを大切にした「家」をつくりたい
かけがえのない地球を守っていきたい


☆流れ

今の世の中、あまりに気ぜわしい
効率化、インターネット、IT革命・・・

時間がゆっくり流れる家
四季の変化をかみしめるように味わえる家
そんな家に暮らしたい


☆次世代に

大量生産の結果は大量破壊
ものを大切にすること
ひとを大事に想うこと
次の世代に残すもの
それは家づくりを通しての精神

… ・ … ・ … 

*県立、金沢市白山市能美市津幡町
5館に所蔵されています。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。