小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

森の中…の詩のじかん

コロナ対策で、先月から図書館で読書会ができなくなって、
それじゃぁ~
「紅茶の時間」に読書会をと提案してくださって、
昨年のように、スウさん宅で「紅茶の詩の時間」。

4月はテニス大会と重なって、
5月は私が曜日を間違えてしまって参加できず、
今回は久しぶり!
読書会のみなさんや紅茶のお客さまにも会えました。

机には八重咲のドクダミの可憐な花たち、
美味しい冷緑茶、
樹々の緑に囲まれ、大きく開け放たれた風通しの良い空間。

BGMは、心地よい小鳥たちのさえずり。。。
キジバト、ヒバリ、、、ウグイス、シジュウカラ、、、

これが野鳥図鑑のCDから流れているとは気づかず、
おつれあいのまあさんからその正体を明かされて、
昨年はほんとにびっくりしてしまった。
この声に誘われて、野鳥たちが姿を見せることもあるそうな。

まるで「森の中の読書会」のようでした。
思い思いに持ち寄った本たちは、
『古木巡礼』(倉本聰/文藝春秋
『日本の名詩100』(たんぽぽ出版)
『そらあるき』(塩井増秧)
『ずっとそばにいてくれたんだね』(ひらたひさこ)
茨木のり子さん、石垣りんさんの詩、、、


絵本『最初の質問』(2013/講談社)はスウさん。
長田弘さんの詩&いせひでこさんの絵。


  今日あなたは空を見上げましたか。
  空は遠かったですか、近かったですか。
  雲はどんな形をしていましたか。
  風はどんなにおいがしましたか。
  
  ~

  この前、川を見つめたのはいつでしたか。
  砂の上に座ったのは、草の上に座ったのはいつでしたか。
  
  ~

  夜明け前に鳴き交わす鳥の声を聴いたことがありますか。
  ゆっくりと暮れていく西の空に祈ったことがありますか。
  
  ~

  時代は言葉をないがしろにしている。
  あなたは言葉を信じていますか。


一連の詩が絵本という形になることで、
詩人の問いかけが、じんわり、ゆっくり心に沁みてゆく。

このところふさぎ込んでいた。
テニスをしたり、本を読んだり、大好きなことをしていても、
胸の奥の重苦しいきもちはどうにも消しようがなく、、、

大切に思う方たちに相次いでご不幸があって、
その途方もない悲しみを思うけれど、どうする術もなくて、
勝手に落ち込んでいた私。

読み、聴き、話しながら、美味しいものをいただきながら、
「紅茶の時間」で緩やかに癒されていく自分を感じました。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。