小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

ふたりだけで《銀河鉄道の父》

6月1日の読書会「宮沢賢治を読むつどい」。いつものようにみんなで「星めぐりの歌」をうたい、『注文の多い料理店』の素敵な序を読み、その日は『或る農学生の日誌』を始めるはずでした。 ところが、細川律子さんの「昨日《銀河鉄道の父》をみてきたんです…

「能」をたのしむ

《新聞の投稿に惹かれてリクエスト》https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2023/02/18/164328 寄贈依頼はその後どうなったか不明のまま4月、それとは別に相互貸借で見ることができました。 小川正吾さんの言葉のとおり、ほんとうに美しい本でした。藪…

伝言の灯(ヒロシマ~ナガサキ~ビキニ~フクシマ)

今日からからG7広島サミットが始まりました。共同文書案の中にあった「核軍縮」はどうなったでしょうか。 ⁂ ・ ⁂ ・ ⁂ ・ ⁂ ・ ⁂ ・ ⁂ ・ ⁂ 折しも、静岡の新茶の香りと一緒に、Tさんから届いた小冊子は『八月平和例会の記録―語りついだヒロシマの祈り』…

タンポポの綿毛~その2

万太郎さん、今日はいよいよ東大へ。常識にあてはまらない、ひたすら我が道を突き進む魅力もさることながら、毎回の植物マメ知識が面白くて、これまでになくつい朝ドラを見てしまいます。 昨日の「らんまん」にはタンポポが登場してましたね。タンポポの花言…

綿毛のタンポポの絵てがみ

『ひと言・人・こと』にかつおきんやさんをお迎えして開催した「出会いの夕べ」の記録があります。 ・・・・・ 2003年7月18日(金)夜7:30~図書館がオープンして7周年、しかもオープン記念月間のSpecial「第35回出会いの夕べ」に、この数年意識してきた勝…

歴史を語るひと~かつおきんやさん&磯田道史さん 

磯田道史さんの「進言」に後押しされたのでしょうか。程なく協力車から宅急便へと大転換。津幡は金沢のすぐ隣町ですから、それほど影響はありませんでしたが、珠洲市などの遠隔地の図書館はかなり便利になったでしょう。コストの面でも影響があったかもしれ…

3年前に戻った図書館で

「なんかとってもすっきりしたわねぇ」 新型コロナ「5類」移行で、カウンターの透明ガードやビニールカーテンが取りはずされて、図書館員さんたちも溌溂としているように見えます。今日の図書館の記録です。 ① レファレンスのこたえ 「二本ともケヤキです。…

磯田道史さんからいただいたもの

秋山ちえ子さん、中谷彰宏さん、高畠純さん、酒井弥さん、そして「出会いの夕べ」のゲストとなった著者の方たち、、、図書館には他にもたくさんの方からのサイン入り寄贈本があります。サイン本は著者がより身近に感じられる“特別な本”です。 *** 『武士…

20年前の講演会の記録です

2003年11月14日の『ひと言・人・こと』より ☆県青少年センター総合研修センターで開催された「東海北陸地区図書館地区別研修」最終日は新潮ドキュメント賞を受けた『武士の家計簿~「加賀藩御算用者」の幕末維新』の著者・磯田道史(いそだ・みちふみ)さん…

希望と喜びの2003年『図書館だより』

20年前に発行した桜色の『図書館だより 2003春/No.19』(平成15年4月発行)、その巻頭に金子みすゞさんの詩を掲げました。 *** 《蜂と神さま》 蜂はお花のなかに、お花はお庭のなかに、お庭は土塀のなかに、土塀は町のなかに、町は日本のなかに、日本は世…

一緒に、とめたくて、走りたくて

カタログハウスの『通販生活』では体に害の少ない、環境に負担をかけない、と思われる質の良い製品が扱われています。 眺めているだけでも心地よい商品魅力もさることながら、堂々と主張する政治的内容(反原発、憲法9条の固持、反基地など)におおいに共感…

県内で自生の「ムジナモ」発見

NHK朝ドラが、大好きな牧野富太郎さんを主人公にしているので、時々見るようになりました。折も折、「牧野富太郎博士ゆかりの水草ムジナモ(絶滅危惧IA類)国内自生地を発見」のニュースが流れました。その国内唯一の「自生地」というのが石川県内の農業用た…

至福の読書会~石牟礼道子さんの詩画集

今週は「詩をたのしむ」読書会でした。水野スウさんは、はるばる奈良へ出前講座で出張中。黄砂飛来も影響しているやもしれません。二人だけの読書会でした。 きりりんさんが金沢の図書館で選んできてくださったのは石牟礼道子さんの詩集です。 ・・・・・・ …

賢治さんの恋ものがたり

先週の「宮沢賢治を読むつどい」の読書会は大盛況でした。年度初めということもあってか13人が参加、いつもの椅子では足りなくなって補充しました。 *** その日は朗読劇『シグナルとシグナレス』のワークショップでした。 一番列車、電信柱、倉庫、そして…

『ふるさと 鶴来 再発見』の校正のおてつだい

「校正」といえば、「プロフェッショナル」で知った大西寿男さん。出版物を支える重要な人、まさに「縁の下の力もち」。決してその名が表記されることはないけれどなくてはならない存在で、作者、編集者から絶大なる信頼を得ている方と知り、そのお仕事ぶり…

三通の☆お手紙☆より

影山さんからどうしてもと依頼され、お引き受けしたことが二つありました。 講演と校正です。いただいたお手紙を見つけました。 ~ ~ ① ~ ~ ☆平成10年(2004)1月30日のお手紙「先般はいろいろありがとうございました。下道さんの本に対して、日本点字図…

影山さんとの出会いは一冊の本

影山雅一さん、10年以上もご無沙汰していました。どうしていらっしゃるかと気になっていた方でした。新聞でお名前を目にして、お元気なうちにお訪ねすればよかったとしきりに悔やまれて、せめて最後のお別れをと、クリスチャンの友人にナビをお願いしてセレ…

「出会いの夕べ」の思い出~中村富子さんを迎えて~

今日の新聞第一面は、「新年度は相次ぐ値上げで変わる暮らし」、「電力3社のカルテルで過去最高額の課徴金1010億円」。 桜満開の兼六園の写真に、ちょっぴり明るいきもちになります。27日から2日まで兼六園は無料開放で、初日の4万人超から5万人、6万人と入…

せんはうたう~風にふかれて

いつものように、こじんまりした《詩をたのしむ》いつものように、すてきな詩に出逢えた二日前の読書会。 きりりんさんが紹介してくださったのは『せんはうたう』(詩・谷川俊太郎/絵・望月通陽/2013) 谷川恵さんがひとりで始められたという「ゆめある舎」…

金沢~広島~響歌

久しぶりに帰郷した上の娘と一緒に金沢の街を楽しんだ日曜日、暖かい一日でした。「金沢市内一日フリー乗車券」を手に、石川県立図書館~天徳院前のお蕎麦屋さんでお昼~如来寺の石地蔵群~ここまでは、友人のおかげで自信たっぷりのコースでした。 偶然にも…

 人と人の思いをつなぐ絵本です

《いまいちおし!!の絵本》 ぜひご一読を知り合いにおすすめを世界中で翻訳を “こじんに むけて ちいきに むけて せいふに むけて こっかに むけて みらいに むけて ちきゅうに むけて NO WARの きょうれつ メッセージ” 【コッチさん】が心をこめて紹介くだ…

「図書室のある焼き芋屋」さんがオープン☆

一ヵ月前の中日新聞、随時掲載の「本のある風景-2-」に楽しそうなお店のことが大きく紹介されていましたが夕方のHABの人気番組《人生の楽園》でも全国紹介されました。 ☆《図書室のある焼き芋屋 ハレオトコ》☆ お店の目印はチョークで書かれた看板です。長年…

彼女の祖国

圧巻のドキュメンタリー「正義の行方~飯塚事件~30年後の迷宮」についてのブログhttps://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2023/01/19/165458を読んだ知人から、先日の再放映を見たと聞いてちょっと嬉しい気分です。 *** 実は、12月28日の同じ日、あの…

新聞の投稿に惹かれてリクエスト

二週間ばかり前のことです。北陸中日新聞の「発言」欄に一冊の本の紹介がありました。このほど刊行されたという能楽師・藪俊彦さんの写真集『能を楽しむ』 金沢の能楽の発展に寄与し、新たな可能性を追求してきた方の新刊。制作のお手伝いをされ、藪さんと楽…

『二平方メートルの世界で』~言葉は水~

Eテレの《ハートネット》はその名のとおり、あったかいきもちが伝わる好番組ですね。先日、「言葉はめぐる」のタイトルに惹かれて見た番組で絵本『二平方メートルの世界で』(小学館/2021.4)に出逢えました。 作者は病気で入院を繰りかえしていた前田海音(…

ヒマラヤを踏破した最初の日本人~慧海~

昨年の11月、図書館の新刊コーナーでふと手にとったのは沢木耕太郎さんの新刊『天路の旅人』ラマ僧に扮して中国大陸の奥深く潜入した西川一三の物語です。 その「主要参考資料」一覧に『チベット旅行記』(上・下 河口慧海)も紹介されていました。 *** …

ほんとうの幸いとは?

蔵書点検で図書館は閉館中ですが、シグナスの一室が使用できるということで、細川律子さんを囲んで、2月の読書会「宮沢賢治を読むつどい」が開催できました。 運よく寒さも緩み、金沢からの参加もあって7人。12月1日に『黒ぶだう』『さいかち淵』をたのしん…

『月刊スガイ』が県立図書館の蔵書になりました☆

町では数年前にTSUTAYAが撤退して小さな「スガイ書店」一軒だけになりました。本や雑誌の他、文具、事務用品などが並ぶ老舗書店は今年、創業103年を迎えます。 大型店が消えるという寂しい状況のなかでエネルギッシュな小さな書店の明るい話題です。 *** …

飯塚事件の30年

駅の無人化反対訴訟の弁護士さん……私ははっとしました。あの「飯塚事件弁護団」の代表、徳田靖之弁護士! *** お正月の帰省客がないせいで、年末からお正月は、読書三昧、自由気ままな時間でした。 テレビも観ました。「鎌倉殿の13人」総集編「ロックが壊…

『母の友』の糸をたどってゆくと

あったらいいな~、ありますように~ 確かめたいことがあって、福音館書店の『母の友』1987年7月号を二階の押し入れへ探しに行った。スチール棚に古い順に並んでいる。友人が一年分を贈ってくれて それ以来、継続して購読していた~おかあさんとともに歩む雑…

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。