先週の「宮沢賢治を読むつどい」の読書会は大盛況でした。
年度初めということもあってか13人が参加、
いつもの椅子では足りなくなって補充しました。
***
その日は朗読劇『シグナルとシグナレス』のワークショップでした。
一番列車、電信柱、倉庫、そして7人のナレーター。
自己申告で役を選び、残ったのはシグナルとシグナレスです。
智子さんがシグナレスを選んだので
男性のシグナル役は細川律子さんに決まりました。
…
「ええ、とうとう、ぼくたちふたりきりですね。」
「まあ、青じろい火が燃えてますわ。まあ地面も海も。けど熱くないわ。」
…
宝塚歌劇さながらのみなさんの熱演、
律子さんと智子さんの息のあったやりとりに
可笑しくなったり切なくなったりして、拍手喝采。
「信号」の不思議な恋の物語でした。
***
妹のトシ、友人の保阪嘉内など
賢治さんの心を大きく占める存在については
今も、さまざまな方面から研究がなされているそうです。
3月にBSで放映された「業の花びら~父と子の秘史」は
父子の対立と和解の深淵を探るものでした。
***
細川さんが紹介してくださった
『宮澤賢治 雨ニモマケズという祈り』(新潮社/2011)では
沢口たまみさんが「賢治の恋」を書いています。
心から愛した4歳年下の女性、
相思相愛だった大畠ヤスさんの存在について。
賢治さんも恋をした…
切ない恋を体験している…
そんなふたりの思い出を綴ったと
されている文語詩があります。
「君にならびて野にたてば」
君にならびて野にたてば、
風きららかに吹ききたり、
柏ばやしをとゞろかし、
枯葉を雪にまろばしぬ…。
☆ ☆ ☆
読書会の常連のはるみさんが声をかけられて、20年以上もお目にかかることのなかったFさんが金沢から初参加。日本語講師のときの先輩です。ちっともお変わりなくて、マスクをしていてもすぐに分かりました。ショートヘアの私、ずいぶんイメージが変わったかもしれません。
愉快な読書会でした。