小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

影山さんとの出会いは一冊の本

影山雅一さん、10年以上もご無沙汰していました。どうしていらっしゃるかと気になっていた方でした。新聞でお名前を目にして、お元気なうちにお訪ねすればよかったとしきりに悔やまれて、せめて最後のお別れをと、クリスチャンの友人にナビをお願いしてセレモニーホールにたどり着きました。

3月14日、青空が広がる穏やかな日。
三つの教会の司祭、牧師さん、所縁の方たちと共に
信念と情熱、誠意と実行の人、影山さんを偲びました。

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アート企画の影山さんとのご縁は、一冊の寄贈本

下道綾子さんの『点字で書いた日記~わが恵み汝に足れり』から始まりました。

「わたしの大好きな図書館なんです」
さもお気に入りの観光地を案内するかのように、影山さんはお知り合いや県外からのお客さまを伴っては楽しそうに来館されました。

日本点字図書館理事長の本間一夫さん、中村富子さん、戦災孤児の伊藤幸男さん(ウィスコンシン州教育庁長官付特別補佐官)、愛泉保育園(社会福祉法人しののめ会)の亀田好子さん、銭屋五兵衛の所縁の方、、、すばらしい方々もご紹介くださいました。

熱心に送迎ボランティアをされていたこと、金沢ワイズメンズクラブのメンバーでいらしたこと、これはと思われる講演を聴きに精力的に全国を旅行されていたこと、「金沢市民劇場」の印刷に関わっていらしたこと(時々案内パンフを見せてくださいました。2005年には劇団民藝無名塾で、奈良岡朋子さんと仲代達矢さんの「ドライビング・ミス・ディジー」)、
ラジオ深夜便「心の時代」の大ファンであったこと、、、存じあげているのはこれぐらい。私のひと回りもっと越えていらっしゃることも今になって知りました。

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牧師さんの郵便局のエピソードにもありましたが、
影山さんはとても筆まめな方でした。
私もたくさんのお手紙をいただきました。
そして、封書の一通一通に、参考までにと
「心の時代」の録音テープが同封されています。
鈴木大拙博士関連のもの、本間一夫さん、後藤静香さん、中村富子さん、緒方貞子さん、、、 

いただいたお手紙も、一枚一枚、読み返しました。
小さな図書館への期待に満ちた、細やかなお心遣いのお手紙ばかりです。
いばる人、高慢な人が大嫌いだとおっしゃっていたことも思い出されます。
申し訳ないことに、私は日々の忙しさを理由にして
ただただご厚意をいただくばかりでした。

不思議な方でした。
エネルギッシュな方でした。
いつもにこにこ笑顔の方でした。
影山さんの思い出が小さな段ボール箱にいっぱいです。

たいせつな思い出を引っぱり出して、読みふけっていて、
このブログがなかなか書けませんでした。

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【関連のブログ】
点字で書いた日記(その一)
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/10/26/231926
点字で書いた日記(その二)
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/10/27/234033
明日は選挙に行こう!
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/10/30/130405
(その三)~光の中を歩む子ら~
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/11/02/191131
(その四)~光の中を歩む子ら②~
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/11/03/215845
(その五)~点字図書館~
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/11/04/235409
(その六)~つながった電話~
https://hitokoto2020.hatenablog.com/entry/2021/11/16/093750

 

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