《わが恵みなんじに足れり》は、聖書の一節。
ヘレンケラーの心境と通ずる「ことば」として大好きな
この言葉を、綾子さんは本の題字に選ばれたそうな。
平成10年1月10日の夜、最後まで読み終えてから、
私の率直な感想を添えて、寄贈お礼の手紙を書きました。
* * *
それから一週間ほど過ぎた夕方でした。、
ひとりの男の方が訪ねてみえたのです。
下道さんから相談を受けて、出版、送付に尽力された
印刷会社/アート企画の影山雅一さん。
影山さんによれば、
多くの方に読んでもらえるようにと、県立図書館の
アドバイスを受け、全国の図書館に送ったそうで、
規模の大きさだったか、人口の多さだったか、、、
10万という数字がぼんやり記憶にありますが、
はて、どうだったのでしょうか。
その時、見せてくださったのは、
各図書館の担当者から届いた寄贈受取りの葉書や文書。
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*寄贈いただいた資料の取り扱いは
図書館に一任いただく。
*蔵書として受け入れない場合、
やむを得ず廃棄処分することもある。
*お預かりした資料の返却はしない。
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ほとんどの図書館が、このような内容でした。
これは予想外だったようで、
非常にがっかりしていらっしゃいました。
でも、現実にはさまざまなケースの寄贈本があり、
図書館の所蔵能力に限界があるのも事実なので、
こうした対応は理解できないことでもありません。
そうした中で、
津幡図書館と秋山ちえ子さん、
全国でたった二つ、下道さんのもとに届いた礼状は、
本当に嬉しいものだったそうです。
ぜひ直接に!と、突然、携帯を渡され、
下道さんとお話したこと、懐かしく思い出されます。
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今、ネットで調べてみると所蔵しているのは112館。
北海道から沖縄まで、120冊近い本を全国の図書館に
送る作業は、どんなに大変だったことかと想像します。
全国の県立図書館のうち、17館が所蔵しています。
他は?とふと気になりました。