小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

3年前に戻った図書館で

「なんかとってもすっきりしたわねぇ」

新型コロナ「5類」移行で、カウンターの透明ガードやビニールカーテンが取りはずされて、図書館員さんたちも溌溂としているように見えます。
今日の図書館の記録です。


① レファレンスのこたえ

「二本ともケヤキです。もとは三本あったのが一本枯れたそうです」
今日、図書館員のNさんが顔を見るなり教えてくれました。

それは、シグナスの入り口にある大きな樹、小鳥たちに人気の樹です。樹形や鋸型の葉のぎざぎざ、などからケヤキではないかと推測していましたが、きちんと確認したかったのです。というのは、

四月のちょっと曇った日でした。
本を返しに図書館へ行った時のことです。
その樹の下にシートを広げてピクニックを楽しんでいる人たちがいました。こんな光景、なかなかお目にかかれません。ついつい声をかけたくなりました。

聞けば、おじいちゃんとおばあちゃん、そして4人のお孫さんたちでした。

風のない日でよかったですね。
駐車場のすぐそばだし、お手洗いがあるし、雨が降っても大丈夫、図書館で本も読めるし、ほんとにいいところ。

いちばん年上の女の子は二年生でした。
「あ、あった、ほらね」と嬉しそうに見せてくれたのは
樹の根元のクローバーの中から見つけた四つ葉。

「よく見つけたねぇ」と感心すると
四つ葉を見つけるのが得意、
パッと見てすぐに見つかるのだと自慢げです。
「えみ」ちゃんて名前も教えてくれました。

ケヤキ」の下で出逢った人たちでした。


② 「詩をたのしむ」

「みんなのへや」での読書会も3年ぶり。
少人数の読書会にはちょうどいい広さです。
両側の窓が開け放たれ、換気もじゅうぶんです。

今回も、きりりんさんが持ってきてくださった
『祖(オヤ)さまの草の邑』(思潮社/2014.7.31)

先月の続きで…
巻末の長い鼎談(石牟礼道子×高橋睦郎×伊藤比呂美)を静かに
一頁ずつ読んだ不思議な「詩」のじかんでした。
「のさる」「されく」という言葉に出会いました。


☆ 図書室のある焼き芋屋「ハレオトコ」さんのこと、小林憲明さんの「ダキシメルオモイ」も展示のこと、水野スウさん宅で開催された『沖縄、再び戦場(いくさば)へ』のスピンオフ作品上映会のこと、姫野洋三さんの「若狭の海歌」も知りました。浄土真宗大谷派のお坊さん、近藤龍麿さんが熱唱しています。

夜をあんなに明るくしといて

夏をあんなに寒くしといて

まだまだ足りないなんて

(反原発のうたです)

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。