小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

再審が始まりました

10月28日(土)の新聞のビッグニュースは袴田巌さんの再審開始!

事件と袴田さんを巡る経緯の記事がありました。(中日新聞より抜粋)


(1966.6.30 事件発生 8.18 逮捕  11.15 初公判 )

1968.6.30 静岡地裁が死刑判決。

1980.11.19 【最高裁】上告棄却。のちに死刑が確定

1981.4.20 第1次再審請求

2008.3.24  【最高裁】再審開始を認めず
2008.4.25  第2次再審請求

2014.3.27  静岡地裁が再審開始決定。死刑の執行と拘置が停止、釈放

2018.6.11  東京高裁が再審開始決定を取り消し

2020.12.22 【最高裁】が高裁に差し戻す

2023.3.13  東京高裁が再審開始を認める


司法の世界のルールを知らない一般市民にとって
あまりに長すぎる年月です。

最高裁】がようやくその機能を発揮したのは、2020年。
2018年の地裁の決定を、高裁が取り消した根拠はなんなのか。


***

再審初公判の双方の「冒頭陳述要旨」も掲載されていました。
弁護側が述べた言葉に、この裁判の全容が見えました。

「誤った判決は48年間もの過酷な拘置所生活を強いてきた。袴田さんの人生を奪った責任は、証拠を次々に捏造した警察にあり、無実を示す証拠を隠蔽した検察にあり、それを安易に見逃してきた弁護人や裁判官にもある。再審公判で本当に裁かれるべきは、信じがたいほどひどい冤罪を生み出した司法制度だ。」

 

姉のひで子さんは90歳、巌さんは87歳。
「巌に真の自由を」と、2014年に静岡地裁で再審開始決定が出た日に着ていたジャケットを、ゲンをかついで、その日以来初めて着たのだそうです。弟を信じ、無罪を訴え続けて闘って、ようやく重い扉が開かれました。

 

検察はメンツをかけて有罪立証をめざすらしいのですが、死刑判決の最大の根拠とした「5点の衣類」が、逆に捜査側の捏造疑惑の証拠となるというのは皮肉なことです。

高齢のおふたりです。心安らぐ日々が一日も早く訪れますように祈るばかりす。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。