土曜夜のNHK「レギュラー番組への道」は
その名も「図書館名探偵の事件簿」
小さな図書館の日々がすっぽり重なるような番組でした。
既に8月に放映されたらしいのです。
図書館loveの私としたことがうっかりしました。
名探偵よろしくホームズの衣装で登場したのは
福井県立図書館、愛知県蒲郡市立図書館、鹿児島県指宿市立図書館の
頼もしい女性司書さんたち。
超難問の調査、相談ごともみごと解決していきます。
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『おぼえ違いタイトル集/福井県立図書館発行』のうろ覚えの例や
高速道路の建設状況が知りたいとの小学生からの依頼もありました。
「魔法が使えるようになる本はありますか?」は、6歳の男の子。
おやまあ、そんな本があったらほしいわ~
なんて一笑せず、丁寧に応対した司書さんも
子どもをそっと見守るお母さんもステキです。
いっしょに探しているうちに
子ども自身が納得するぴったりの本がみつかって
魔法はすぐには使えないこと
修業が必要なことも知って
数日後、魔法のほうきを作り
修行を開始して~~~
「2秒くらいとべたよ!」と驚きの成果報告もあったそうな。
今、その子はすくすく成長して中学三年生、バレー部。
7年前のその時のこと、しっかり覚えているそうです。
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偶然に拾われた牛乳瓶から消えた牧場を探し出し
100年の時を経て親族のもとに届けられた事例は、指宿市立図書館。
そういえば…思い出しました、この図書館のこと。
『小さなまちの奇跡の図書館』(猪谷千香/ちくまプリマー新書図書/2023.01)
2月、図書館の新刊コーナーに並んでいた本です。
タイトルが強烈に気になって、ドキドキして読んだ本です。
「鹿児島県指宿市のさびれつつあった図書館を日本で最も注目を集める施設にしたのはいちユーザーに過ぎなかった地元女性たちだった。人々をつなぐ奇跡の図書館ができるまでの物語」です。市民とともに歩み、学び続ける図書館でした。
運営をまかされたのは、特定非営利活動法人・本と人とをつなぐ「そらまめの会」。彼女たちの奮闘ぶりに共感し、感動し、拍手喝さいしました。
ふり返ってみると……彼女たちにくらべたら、私はまだまだ踏んばりが足りなかったと思うのです。
2018年(平成30年)には、子どもの読書活動優秀実践図書館として文部科学大臣賞(ちなみに小さな図書館は2003年)。2021年には、先進的な活動を行っている図書館に対して贈られるLibrary of the Year(ライブラリー・オブ・ザ・イヤー)を受賞した図書館です。司書さんとして登場した下吹越(しもひごし)かおるさんは、図書館長であり、「そら豆の会」理事長さん。