小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

ドライブの思い出

図書館時代にいただいたお手紙やハガキ、自分の書いた原稿の下書きやお礼状…
引き出しの中は小さな思い出たちでいっぱいです。


~~~1996年6月1日、県立図書館長の表政直さんに書いた手紙~~~

今日はお忙しい中ご案内いただき、本当にありがとうございました。お疲れにならなかったでしょうか。すっかりお言葉に甘えてしまい、今になってあまりにも図々しすぎたのではと恐縮いたしておりますが、お陰様にて有意義な一日を過ごさせていただきました。皆さまの貴重なご意見、アドバイスをもとに七月十日のオープンに向けまして、
職員一同、がんばりたいと思っております。やっと芽を出したばかり、、、
小さいなりに、そして小さいからこそできることを考え、山中さんのような素敵な図書館をめざしていきたいと願っております。ご覧のように一年生ばかりで、さぞ心もとなく、危なっかしく思われるでしょうが、どうぞ今後ともよろしくご指導くださいませ。
見学、そして快適なドライブ、本当に楽しい一日…ありがとうございました。 
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休日を利用して、他の図書館をぜひ見たいと言う私たちのために、表さんがお薦めの山中町立図書館へ案内してくださいました。大聖寺川の美しい景観を背景に、こじんまりとして、居心地のよい雰囲気の図書館でした。村井館長さん、司書の荒谷さんが優しく、あたたかく歓迎してくださったこと、行き帰りの車中では、表さんのみごとなハンドルさばき!みごとな飛ばしっぷり!に若いスタッフたちが眼をまん丸くして笑い転げていたこと。快晴のあの日のことが、つい昨日のように目に浮かびます。

表さんからいただいた『石川県失語症友の会40周年記念大会集』(H27.10.25発行)には、1998年3月末に県立図書館を退職、第二の職場、県立能楽堂の副館長として働いていたその12月に、脳梗塞で倒れ生死の境をさまよい、医師の懸命な治療と家族の必死の看護で奇跡的に助かったこと、右半身不随、言葉を発することもままならない状態だったが、リハビリを続けて、とうとう車の運転にも合格し、奥様を助手席にドライブ旅行にも挑戦するようになったり、「こんな自分になった事が受け入れられず、人前に出ることが嫌でたまらなかった」けれど、県失語症友の会に入って理事となり、リハビリのためには大いに本を読むと良いとのことで、『友の会だより』の「図書館紹介コーナー」を担当し、2年半かけて県内のすべての図書館を訪ねたことなど、大会での体験発表が掲載されています。「…元来主人は誠実で、向上心があり、目標に向かって、根気強く努力を重ねる人でした…」と、二人三脚で歩まれている悦子夫人は書いていらっしゃいます。

ほんとうに、悦子さんの言葉通りの方だと私も思います。

先日のお電話では、コロナの影響で外出自粛、脚の状態もあまり良くないとのこと。
来年、新しい県立図書館ができあがるのをとっても楽しみにしていらっしゃいました。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。