小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

能登鹿島のさくら駅

昨年からときどき、NHKの「ドキュメント72時間」を見ている。
公園だったり、バスターミナルだったり、焼き芋屋だったり、
ある場所を訪れる人たちのさまざまな人間模様を、
72時間(3日間)にわたる取材の中で浮き彫りにするドキュメンタリーは
いつもほのぼのとした余韻が残る。
石川県羽咋市の「なぎさドライブウェイ」の砂浜もあった。

二日前は、穴水町無人駅「能登さくら駅」だった。
小さな駅の線路の両側には、その名のとおり百本近い桜がある。
満開を迎える頃には、毎年、多くの人が訪れる人気スポットだ。
取材カメラがとらえた人たちの、率直な言葉がしみじみ心打つ。

小さな妹に大好きな「さくら」と名付けたという一年生のお兄ちゃん、
恩師を慕う男性、母娘、若者たち、お弁当を食べるご夫婦、、、
地元の人たちが守り続けている「さくら駅」には、
能登はやさしや土までも》の人情がにじみ出ていた。

友人のご主人がスケジュールを組んでくださるので、
毎年、私もこの桜たちに逢いに出かけている。
初めは、男たちだけでローカル線に乗車してのほろ酔いお出かけが、
いつしか女性陣も加わってドライブ旅行の桜見物、
老木の枝ぶりに見惚れ、電車の発着の光景を目に焼き付けた後は、
近くの牡蠣料理を堪能するのがお決まりのコースで、
夫たちはアルコールも加わるので、そこからは運転手交代となる。
こんな春のささやかなおたのしみも、昨年から中止になってしまったが、
番組の中でいつもの桜に会うことができた。

青い空、眼下に広がる日本海、美しい桜たち、、、
来年こそは、友人たちと一緒に「さくら駅」を
訪れることができますように。

【再放送】
5月28日(金)BS1 午後5:00~
5月29日(土)総合 午前11:24~

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。