小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

紫蘇の香り

「ピンポ~ン」

朝6時半の訪問者は?

ドアを開けると!
マスク姿のFさんがにこにこしながら、
大きなビニール袋を手に立っていた。
袋の中には、畑で刈り取ってきたばかりの
いい香りの赤紫蘇がいっぱい。

 ***

その前日、とあるスーパーで、梅干しを買った。
福岡県八女市の《全国梅干しコンクール日本一》
娘に送るつもりの紫蘇と塩だけの無添加小梅。

「うっかり、紫蘇の葉を買いそびれちゃって」
白梅干しでもいいんだけど、、、ね。」

レジのFさんにつぶやいたら、
今年は梅のなり年で、
紫蘇は早くからなくなったんだとか。

今年は梅干しは作らず、ふりかけ用だけなので、
小さいけどよかったらあげようかとまで
言ってくださったのだった。

***

お客さんと店員さんとの関係でも、
挨拶を交わしているうちに、
親近感が生まれてくる。
レジでのちょっとしたやりとりが、
実は、陰ながらお店を支える要素にもなっている。

これは図書館のカウンターについても
あてはまると思う。

***

というわけで、
思いがけず手に入ったフレッシュな紫蘇を、
せっせと塩もみしたので、
三日経つというのに、爪の中が真っ黒なのです。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。