「ピンポ~ン」
朝6時半の訪問者は?
ドアを開けると!
マスク姿のFさんがにこにこしながら、
大きなビニール袋を手に立っていた。
袋の中には、畑で刈り取ってきたばかりの
いい香りの赤紫蘇がいっぱい。
***
その前日、とあるスーパーで、梅干しを買った。
福岡県八女市の《全国梅干しコンクール日本一》
娘に送るつもりの紫蘇と塩だけの無添加小梅。
「うっかり、紫蘇の葉を買いそびれちゃって」
白梅干しでもいいんだけど、、、ね。」
レジのFさんにつぶやいたら、
今年は梅のなり年で、
紫蘇は早くからなくなったんだとか。
今年は梅干しは作らず、ふりかけ用だけなので、
小さいけどよかったらあげようかとまで
言ってくださったのだった。
***
お客さんと店員さんとの関係でも、
挨拶を交わしているうちに、
親近感が生まれてくる。
レジでのちょっとしたやりとりが、
実は、陰ながらお店を支える要素にもなっている。
これは図書館のカウンターについても
あてはまると思う。
***
というわけで、
思いがけず手に入ったフレッシュな紫蘇を、
せっせと塩もみしたので、
三日経つというのに、爪の中が真っ黒なのです。